投資信託/ファンドの種類を紹介

進化している高配当株ファンドに注目

マイナス金利政策の導入より、預貯金や個人向け国債の利率が低いことから安全確実な商品でお金を殖やすことがますます難しくなっています。株価も乱高下が続いていることから、売却益を狙いにくくなっているため配当に注目が集まり、投資信託の中でも高配当株ファンドに徐々に注目が集まっています。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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高配当株ファンドは進化を続ける

注目の高配当株ファンド

注目の高配当株ファンド

年初から株式市場は乱高下を続けていることから、売却益の確保が難しくなりつつあります。売却益の確保が難しい分、高配当や株主優待などのインカムゲインが注目されるつあります。ただ、個別株式では企業の業績次第でその高配当が長続きするかどうか分かりません。また、高配当株であったとしても株式市場の乱高下を免れることはできません。

とはいえ、投資家としては価格変動を抑えながら安定した高配当を得たい、出来れば売却益も期待したいと願うものです。そんな投資家の声を反映したわけではありませんが、高配当株を投資対象とする商品が進化していることを見逃してはならないでしょう。

たとえば、ETF(上場投資信託)では「上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ」という商品が。投資信託ではDIAMアセットマネジメントが「たわらノーロードplus」というシリーズを2016年3月31日に新規設定する予定です。

たわらノーロードplusシリーズは、投資戦略に基づいて金融工学を用いて運用を行うアクティブファンドです。「たわらノーロードplus国内株式最小分散戦略」、「たわらノーロードplus先進国株式低ボラティリティ高配当戦略」、「たわらノーロードplus新興国株株式低ボラティロティ高配当戦略」の3本です。

ETFを含め全ての商品には、低ボラティリティ(最小分散戦略含む)と記載があるように、価格変動幅の小さい銘柄で高配当株にフォーカスして運用が行われるのが特徴です。高配当を選好することによって、市場全体よりも安定したリターンを生み出すことが期待でき、またボラティリティ(価格の変動幅)が比較的小さい株式はボラティリティが大きい株式よりも平均的に高い投資成果が得られると言われているのです。

連続増配企業にフォーカスした商品も

高配当株を投資対象とする商品は低ボラティリティにフォーカスした商品だけではありません。岡三アセットマネジメントが2015年12月28日に新規設定した「日本連続増配成長株オープン」は一定の期間以上配当金を増配してる企業にフォーカスした投資信託です。

米国には連続して25年以上増配している企業だけで構成される「配当貴族株指数」という株価指数がありますが、日本連続増配成長株オープンはその日本版とも称してもよい商品と言えるでしょう。ちなみに、米国では、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、ジョンソン・エンド・ジョンソン、コカ・コーラなど、私たちがよく知っている企業が50年以上連続して増配を行っているのです。

日本連続増配成長株オープンが投資対象候補としているのは連続して5期以上増配している企業です。2016年2月5日現在では、日本たばこ産業(11期)、KDDI(13期)、花王(15期以上)、西日本旅客鉄道(JR西日本)(5期)、カカクコム(11期)などが組入上位銘柄となっています。

同ファンドが連続増配銘柄群にフォーカスしているのは、安定して業績が推移していることに加え、株主還元の姿勢が評価されていることからTOPIX(東証株価指数)を上回るパフォーマンスとなっているからです。さらに、企業の株主還元姿勢に投資家の注目が集まるなか、連続増配銘柄群は、今後も相対的に堅調な株価推移となることか期待されているからです。

投資候補銘柄の選定にあたっては、連続増配期間の長さ、時価総額、信用リスク、流動性等は考慮して絞りこまれます。ポートフォリオの構築にあたっては、成長性、バリュエーション等のほか、今後の連続増配の持続可能性を勘案して行われます。

高配当株といえども、株式市場の乱高下を免れることはできません。これら進化系の高配当株商品を活用することで、リスクを抑えながら高配当プラス売却益を期待できることでしょう。足元の乱高下だけではなく、投資家のニーズにマッチした投資信託はますます進化していくと予想されます。

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