ミュージカル/注目のミュージカルレビュー・開幕レポート

進化する『バーン・ザ・フロア』ペアと歌手に聞く (2ページ目)

ボールルームダンスを世界最高峰のショーに仕立て、世界中で愛されている『バーン・ザ・フロア』が2年ぶりに来日します。New Horizonと名付けられた今回のショーは、中世の舞踏会あり、学校のシーンあり、今までとは一味違う世界に誘われます。汗が飛び散るエネルギッシュなペアダンスの極致。必見です!

三浦 真紀

執筆者:三浦 真紀

ミュージカルガイド

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向かって左からマイキー、ミーガン、ヨハネス

世界トップクラスの才能が集まるBTFはボールルームダンサーの憧れ

――ヨハネスはいつからカンパニーに参加していますか。
ヨハネス 4カ月前です。『バーン・ザ・フロア(以下BTF)』はラテンのボールルームショーとして世界中で有名で、ダンサーとして頑張っている者として、絶対に参加しなければと思いました。エグゼクティブプロデューサーのピータ・ロビーと芸術監督のジェイソン・ギルキソンは自分のロールモデルでもあり、彼らの近くで影響を受けたいという気持ちもあったな。

――南アフリカの出身とのこと。初めてBTFを観たのは南アフリカで?

ヨハネス 初めて観たのはDVD。友達が出演していて、どんなことをしたのかを詳しく聞いたら「WOW!」ってなったよ(笑)。実は不安もあったけど、母と友達が励ましてくれて。ピータ・ロビーに「あなたに僕のできる限りを見せるチャンスをいただけますか」って、それだけを書いたeメールを送ったんです。そうしたら彼女からOKの知らせが来て、ものすごくたくさんのダンス映像を送りました(笑)。すると夢が叶った! 南アフリカ出身のダンサーはカンパニーに3人いて、皆、才能のある人たちばかりです。

――ミーガンはいつからカンパニーに参加しましたか。
ミーガン 2010年、オーストラリア・ゴールドコーストのジュピター公演から参加しました。ラテンボールルームダンサーとしてBTFは一番の代表的なショーなので、とにかく参加したかったです。初めて観たのは多分10歳くらい。パースで観た覚えがあります。まだピータ・ロビーが出ていた頃です。私は5歳でジャズとタップとバレエ、10歳でラテンとボールルームダンスを始めたので、お母さんとおばあちゃんが、「好きかもしれないね」って、連れて行ってくれたんです。

――ミーガンはオーストラリア出身と、BTFのお膝元ですから知ったのも早かったんですね。それでBTFに憧れた、と。

ミーガン はい。もう大好きになって、自分でも出たいと思うようになりました。その時に見たピータ・ロビーやアシュリー・ハンターと同じ振りを今、自分で踊っているから不思議! ヨハネスとはペアを組んで4カ月。前回はベンと組んでいました。ベンは静かでエッジの効いたダンスが特徴でしたが、ヨハネスはもっと優雅なスタイルで、私ととても合っていると思います。

――マイキーはBTFにいつから参加しましたか。
マイキー 僕も4カ月前から。ヨハネスがキャストで一番最初に会った人でした(笑)。BTFはダンサーにとってエリートクラスのカンパニーです。シンガーとして参加できるのはすごく光栄ですし、音楽、演技、歌、楽器と自分が勉強してきたことも表現できます。同時に今回は「New Horizon」という新しいバージョンになっているため、皆で作り上げる喜びも感じました。振付家とキャストが力を合わせて、いいものになったと思います。

――ダンサーたちを見ていると、踊りたくなりませんか?
マイキー 実際にちょっと試したりもしましたよ(笑)。真剣にやってみたけど、ステップが実に難しくてね。僕はヨハネ&ミーガンが踊るスローな曲も歌っています。
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カラフルでエネルギッシュ。

生の歌と演奏で踊ると、違うゾーンに入ってしまう

――マイキーの生の歌で踊るというのは、気分がいいものですか。
ミーガン ええ、とても!
ヨハネス 生の歌は自分たちの表現に何かを足してくれます。すぐ横の見えるところでシンガーが歌い、声もダイレクトに聞こえてきて。すると違うゾーンに入って、踊ることができるんですよ。歌詞が聞こえることも自分には大きく影響しています。
ミーガン 稽古では録音で踊っているでしょ。でもシンガーを含め、全員で合わせると、本当に違うものへと進化するんです。
マイキー 実際、歌と踊りを合わせるのは難しくもあります。でも皆素晴らしいダンサー。情熱的で、とても強いものを肉体とダンスで発します。本番になって、照明や効果が入り、衣裳を付けて歌うと、それまでの苦労がオーバーラップして、自分の夢が叶ってる!と感情が込み上げてくる。そのくらいインパクトのあるショーだと思います。
ミーガン New Horizonでは特にシンガーが大きな役割を果たしていますね。これまではダンサーとシンガーはそれぞれ踊り、歌と分かれていました。ところが今回は、それぞれがキャラクターを持ち、融合する形で作っています。シーンについても、新しいシーンが次々と飛び出してくるように見えますが、実はひとつの話が根底に流れているところがあります。
ヨハネス BTFのダンサーは同時に役者でもあり、演技をするシーンも多数あります。踊らず、歌わず、演技だけのシーンもあるくらい。
ミーガン それも自分の個性の中で演じるのが面白いところ。演じているはずのキャラクターでも半分、自分自身になってしまうことも。キャストは皆、個性的ですから、ユニークな化学反応が起こるわけです。

――ヨハネス&ミーガンペアの個性が一番出るところは?

ミーガン ソフトでコンテンポラリーで感情溢れるシーンです。優雅さを表現するのは、私たちの得意技だと思います。
ヨハネス ミーガンと僕、女性シンガーによるナンバーはとてもリリカルで楽しいです。
ミーガン ピータの大好きな曲のひとつよね。
ヨハネス そして、学生服を着て踊る曲も!

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