「フードファディズム」を知っていますか?

女性

フードファディズムという言葉を知っていますか? 直訳すると「食べ物の流行」です。メディア情報に乗って身体によかれと思って、食べ物の選択肢を減らしてしまいかえって身体に悪影響を与えることもあります。

フードは食べ物、ファディズムは一時的な流行を熱心に追いかけること(=流行)。直訳すると「食べ物の流行」という意味です。

・□□を食べたらガンになる!
・□□だけ摂れば○○が改善する
・□□を抜けば1週間で体重が○キロ減る

…などのような「食べ物や栄養成分が体に与える影響」を過大に信じてしまい、バランスを欠いた偏った食生活を送ることを意味する概念として知られるようになってきました。

メディア等の影響で特定の食べ物が一時的に流行ることはよくあることです。もちろん、洋服の流行のように特定の食べ物が一時的に流行して消費が増えること自体は問題ありません。問題となるのは「身体に悪いから○○は食べない」「身体にいいから○○ばかり食べる」といった偏った考えで食べ物を選んでしまうことです(※)。

このように身体のためによかれと思って流行を追いかけた結果、食べ物の選択肢の幅が狭くなり、かえって不健康になる……こうした問題を浮き彫りにする言葉が「フードファディズム」なのです。

この考えには、個人的な嗜好(好き嫌い)は関係ありません。「そばは○○店に限る!」というような考え方も嗜好の問題ですので、除外して考えてください。

話題になった食べ物は食べていいの?いけないの?

白米と稲

「○○抜きダイエット」など、悪者としてやり玉に挙げられた食べ物は数えられないほどあります

これまでメディアなどで過大に取り上げられてきた食べ物は、代表的なもので砂糖・白米・遺伝子組み換え食品・マーガリンなどが体に悪いとされてきました。逆に健康によいと推奨された食べ物は、生姜・ゴボウ・たまねぎ・ネギ・ゴマ・バナナ・リンゴ・納豆……など、どちらも数えられないほどあげられます。

ここで砂糖を例にあげて、食べてはいけないとされた理由を説明しましょう。

砂糖は「虫歯になる」「(食べ過ぎると)太る」「精神的な問題を起こす」「カルシウムが奪われて骨がもろくなる」などが体に悪い理由とされています。

しかし、砂糖はエネルギー源として必要不可欠な「糖」を効率よく摂取できる食材。通常、糖をでんぷんで摂取する場合、砂糖に近い形に分解してから、エネルギー源として活用します。砂糖はその必要がないので、すぐにエネルギー源として使えるのです。

そして、すぐにエネルギー源として活用するには、血糖値を急上昇させる必要があります。もちろん、健康な人であれば血糖値の急上昇は病的なレベルにまで上がらず、仕事がはかどる程度の上昇で収まります。しかし、一般には「血糖値が上がる」という側面だけが情報として広がってしまいました。

そのために「砂糖を食べる→血糖値が急に上がる→糖尿病になる→砂糖を食べてはいけない」(※)と、間違った思い込みによる情報が流れてしまったのではないかと思います。

他にもやり玉に挙げられやすい食べ物に、遺伝子組み換え食品があります。「実際、遺伝子組み換え食品は何がコワイの?」にも掲載したとおり、これも断固拒否をしなければならないほど危険なものではありません。

糖尿病の発症は、砂糖の摂取が直接影響しているのではなく、砂糖も含むエネルギーの過剰な摂取による肥満が原因になっていると考えられています。

情報に惑わされないために

当たり前ですが、情報の中には有益なものもありますが、無駄なものや悪影響を与えてしまうものもあります。メディアは私たちの興味のある分野について特集をします。

もちろん、こうした特集には専門家の意見が取り入れられていますが、都合のよいところを編集して使うことができます。そのため専門家の中には「都合のいい部分だけを流されてしまうので本意が伝わらない」と出演を一切断っているという人もいます。「娯楽」の一部であり、おもしろおかしく見せることが重要で、真偽のほどはさほど問われないといった一面もあります。

そこで、私たち消費者が気になる情報を見つけた際には、ひとつだけでなくさまざまな場所で情報を収集し、自分にとって有意義になるような対策を考えなければなりません。

例えば、先に例として挙げた砂糖であれば、食べようとしているタイミングの体調やこれからの作業の内容に合わせた摂取方法を考えてみましょう。何か新しい案を出さなければならない、細かい計算作業をしなければならないなど、今すぐにエネルギー源が必要な場合には砂糖で摂る。急ぐわけではなく、長時間にわたってエネルギー源を確保したい場合には、米や麺などのでんぷん質の炭水化物を食べるようにする、といった具合です。

また、たくさんのメディアの情報を集めるときには、同じ著者の情報に偏らないこと・複数の専門家の意見を聞くこと・政府機関発行物を上手に利用すること、などに気をつけるとよいでしょう。そして、本当に自分が必要とする情報を取捨選択し、自分流にアレンジして生活に活かすことが大切です。

情報の波にのまれることなく、情報を上手く活用して賢い消費者になりましょう。


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