日々のニュースを追えば、「仕事に活かせる資格」の最新動向が見えてきます。
毎回、先月までに発表されたニュースの中から今後の動向が気になるトピックスを厳選してお届け。今回は2015年12月、2016年1月分です。

【今回注目したニュースはこれ!】  

 情報セキュリティの国家資格創設へ

近年、政府機関から企業に至るまで、悪質なサイバー攻撃がしばしば話題となり、深刻な社会問題となっているのはご存知のとおりです。

サイバーセキュリティの強化のためにも、高度な専門人材の育成は急務ですが、技術進歩等のスピードが速いこの分野では、せっかく身に着けた知識も、あっという間に「陳腐化」してしまうことも。

この分野の国家資格では、既に情報処理技術者試験の一区分である「情報セキュリティスペシャリスト」が知られていますが、さらに、「一度資格を取ったら終わり」ではなく、継続的な知識やスキルの向上をはかるための資格制度創設が検討されてきました。

そこで今回、経済産業省から発表されたのが、国家資格「情報処理安全確保支援士(情確士)制度」の創設。新資格は、「ユーザー企業やベンダー企業の情報システムを設計、開発、運用する担当者として必要な情報セキュリティに関する高度な知識・技能」を認定するもので、エンジニア向け試験である「情報セキュリティスペシャリスト」試験(SC試験)をベースにしたものとなります。

情報処理安全確保支援士は国家資格

情報処理安全確保支援士は国家資格

今後は、同試験の合格者の登録制度を設けて継続的なスキルアップのための講習を義務化し、義務に違反した者は登録を取り消される「更新制」を導入する予定です。早ければ2017年度にもスタートを目指していますが、今の時点でわかっている概要は以下の通り。

■情確士制度の流れ
情確士試験(SC試験)

試験合格者のうち情確士となる資格を有する者

情確士登録簿への登録
※「情報処理安全確保支援士」名称の独占使用OK

更新講習受講
※更新期間については未定
※講習未受講の場合、登録取り消し又は期間を定めて情確士名称の使用停止

また、このような新国家資格の創設時には従来の資格との関連が気になるところですが、すでにSC試験に合格している方や、国内外で実施されている類似資格の合格者の中からも、「情確士」と同等と見なされるものについては、新試験の全部または一部免除する案なども検討されているとか。

以前の記事「2016年版『仕事に活かせる資格』注目キーワード5選」でも解説しましたが、近年は「民営化」傾向の資格業界で、わざわざ新しい国家資格を創るという時には、法改正や国の施策・方針などが密接に関わっているもの。

実際に、「情確士」に先駆けて、すでに国家試験の情報処理技術者試験には、「ユーザー企業の事業部門や情報システム部門において、自社の情報セキュリティ技術者と連携して情報セキュリティの確保を管理する人材」を主な対象者とする「情報セキュリティマネジメント」の開始が決定しており、いかに「情報セキュリティ」の分野が、これから益々高い人材ニーズが予想される注目分野であるかがわかります。

※参考外部サイト
・経済産業省:情報処理安全確保支援士制度(案)
・独立行政法人情報処理推進機構:国家試験「情報セキュリティマネジメント試験」の創設と実施について

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。