日本の有給消化率は世界ワースト2位!
日本人の有給消化率は極めて低い
日本の有給休暇消化率は、2年連続で世界26ヶ国中下から2位――エクスペディア・ジャパンが行った「世界26ヶ国 有給休暇・国際比較調査2015」では、こんな残念な結果が示されています。
ちなみに、ワースト1は韓国で、こちらも2年連続。それ以前は、なんと7年連続で日本が最下位でした。とかく働きすぎといわれる日本人。最下位を脱したとはいえ、休みが取れない状況が続いているようです。
厚生労働省の「平成27年 就労条件総合調査」を見ても、労働者1人平均の年次有給休暇(年休)取得日数は8.8日、取得率は47.6%にとどまっています。過去5年間の平均取得率は40%台後半で推移しており、「自分の年休を半分取得できれば、人並み以上」と言えそうです。
「日本は祝日が多いし、年休以外に正月休みや盆休みがある会社も多いから、年休を取らなくてもそこそこ休んでいるんじゃないの?」
そう考える人もいるでしょう。
しかし、“権利”として認められているはずの年休を取得できないのは、なんともおかしな話です。また、日本の労働時間の長さについては、皆さんもよく耳にされることと思います。日々の残業を抑制することも重要ですが、同時に、休暇をしっかり取って、ワーク・ライフ・バランスの向上と心身のリフレッシュにつなげていきたいところです。
有給取得をためらう日本人
では、なぜ、日本の有給取得率は低いのでしょうか? ここに興味深いデータがあります。
労働時間等の設定の改善を通じた「仕事と生活の調和」の実現及び特別な休暇制度の普及促進に関する意識調査(平成26年)
驚くことに、日本の労働者の3人に2人は、年休の取得にためらいを感じています。そして、その理由からうかがえるのが、年休を取得しづらい“職場の空気”の存在。忙しくて休みが取れないのも問題ですが、休みが取れる状況であっても「休む」と言いづらいのです。
休みづらい空気が生じる要因の一つに、“和”を尊ぶ日本の文化が挙げられます。「自分だけ休むのは気が引ける」と思うのは、多くの日本人にとって自然な感情でしょう。
また、日本企業は、欧米と比べて個人ごとの職務範囲が明確でないケースが多く、「ここまでやれば、私の仕事は終わり」と言えない面があります。出社すれば仕事があり、休めばその分の仕事は自分以外に回りますので、「休むとみんなに迷惑がかかる」という状態が恒常化しがちです。