初午とは、2月の第一午の日に行われる稲荷神社のお祭りで、2016年は2月6日、2017年は2月12日にあたります。「節分」や「恵方巻」の陰に隠れてしまいがちですが、初午の縁起の良い食べ物といえば「いなり寿司」!そのユニークないわれなど、意外と知らない初午のいろはを紹介します。
初午は稲荷神社のお祭りで、油揚げやいなり寿司などを供えます

初午は稲荷神社の祭日で、油揚げやいなり寿司などを供えます



初午(はつうま)の由来

初午とは「お稲荷さん」の名でおなじみの稲荷神社の祭日で、2月最初の午の日に行われるため、「初午」と呼ばれています。

この日に穀物の神様が稲荷山(伊奈利山)に降臨したとされ、全国に「初午祭」が広がりました。「稲荷」という言葉は「稲生り」に由来し、農村では「稲荷神」を祀っていました。この風習と、稲荷神の使いとされるキツネは家を守るという考えが結びつき、稲荷信仰が広がりました。今でも、全国の稲荷神社で豊作、商売繁盛、家内安全などを祈願する初午祭が行われています。なお、稲荷神社の本社は、稲荷山の麓にある京都・伏見稲荷大社です。


稲荷神とキツネの関係

稲荷神社といえばキツネの像が建っていますが、それは、キツネは稲荷神の使いとされたからです。
お稲荷さんにはキツネがつきもの。よく見てみると、口に米蔵の鍵や鎌などを咥えています

お稲荷さんにはキツネがつきもの。よく見てみると、口に米蔵の鍵や鎌などを咥えています


古来、田の神は稲刈りが終わると山にのぼって山の神になり、春になると山からおりて田の神になると考えられてきました。キツネは春がくると山からおりて田んぼのネズミを食べ、秋になると山へ帰ることから、稲荷神の使いであると考えられたのです。ですから、稲荷神社にはキツネの像が建っており、口に米蔵の鍵や鎌などを咥えています。


いなり寿司の由来と東西の違い

稲荷神社のキツネには、油揚げいなり寿司が供えられていますが、そこにも理由があります。
東西で違ういなり寿司。東日本は米俵に見立てた俵型、西日本はキツネの耳に見立てた三角形

東西で違ういなり寿司。東日本は米俵に見立てた俵型、西日本はキツネの耳に見立てた三角形


キツネの好物はネズミですが(ネズミの油揚げという説もあります)、殺生はタブーとされたため、大豆でできた油揚げを供えるようになりました。やがて、油揚げに稲荷神のおかげでもたらされた米(酢飯)を詰めるようになり、「稲荷寿司」「お稲荷さん」と呼ばれて親しまれるようになりました。

なお、東西でいなり寿司の形状が違います。東日本では、米俵に見立てた俵型をしていますが、西日本では、キツネの耳に見立てた三角形が主流です。形は違えど、いずれも稲荷信仰が反映されているのです。また、東日本では「いなり寿司」、西日本では「お稲荷さん」と呼ぶ傾向が強いようです。


初午の食べ物

初午には、【油揚げ】【いなり寿司】のほかにも行事食があります。
鬼おろしですった大根やにんじん、鮭の頭、油揚げ、大豆、酒粕などを煮た「しもつかれ」

鬼おろしですった大根やにんじん、鮭の頭、油揚げ、大豆、酒粕などを煮こんだ「しもつかれ」


【初午だんご】
養蚕の盛んな地域に多い。初午には蚕の神様を祀る行事も行われたため、繭がたくさんできるよう願い、繭の形に作った団子を供える。

【しもつかれ】
栃木県を中心に北関東でみられる郷土料理。鬼おろしですった大根やにんじん、鮭の頭、油揚げ、大豆、酒粕などを煮こんだもので栄養満点。

【旗飴】
奈良県でみられる飴菓子。旗をまきつけた棒の先に飴をつけたもので、商売をしている家が稲荷神社に供え、そのおさがりをもらうために、商売をしている家を「旗飴ちょうだい」と子ども達がまわる風習がある。


初午は習い事を始める日!?

江戸時代には初午に寺子屋や私塾へ入門する習わしがあったため、この日に習い事を始める風習もありました。何かを始めるきっかけにしてもいいですね。