消費税10%になったら、マイホーム予算はどうなる?
2014年4月に消費税が8%に引き上げられた後、10%への引き上げは、2回延期されていましたが、2019年10月には、消費税が10%に上がる予定です。マイホームを購入する(建てる)場合、土地については消費税がかからず、建物(建築)の費用について消費税が課税されます。また、中古物件は、売主が個人の場合、消費税は課税されませんが、不動産業者から購入する場合は、建物費用に消費税が課税されます。例えば、建物価格3,000万円で、消費税が8%から10%に上がった場合、建物にかかる消費税は、240万円から300万円へと、60万円増加します。前回、5%から8%へ引き上げられた時(プラス3%)より、引き上げ幅は少ないのですが、10%の大台となると、さすがにインパクトがあります。この他、司法書士報酬や不動産業者が仲介する場合の仲介手数料、金融機関に支払うローン手数料などの諸費用には、消費税が課税されますので、それぞれ増税の影響を受けます。また、こうして増えた分を住宅ローンの借入額に追加したら、さらに返済利息も増える……と雪だるま式に負担が増えることになります。
ガイド平野が試算したところ、ローンの金利負担分を含めると、80万円以上の負担増加となりました。この増加分で、家具や家電が買えてしまいますね。マイホームの購入やリフォームを検討している方は、ますます「消費税が10%になる前に実行したい!」と思われるのではないでしょうか。
消費税アップの前に住宅を手に入れるスケジュールは?
住宅の場合、消費税が課税される時期は、原則、引渡しの時とされています。その原則通りとすると、10%に増税される前に建築請負契約や売買契約を結んでも、引渡しが増税後であれば、消費税は10%が適用される、ということになります。けれども、「建築請負工事の場合は、増税の6カ月前(2019年3月末)までに契約を締結した場合は、引渡しが増税後(2019年10月以降)でも、増税前の税率(8%)が適用される」という特例があります。(下記イメージ図をご参照ください。)(1)原則
2019年9月30日までに、住宅の引き渡しが完了すれば、消費税は8%が適用されます。2019年10月1日以降に引き渡しの場合、消費税は10%となります。
(2)経過措置が適用されるケース
建築請負契約を2019年3月31日までに締結した場合、引渡しが増税後(2019年10月1日以降)でも、増税前の税率(8%)が適用されます。
※注意※2019年3月31日までに建築請負契約を締結しても、その後で変更が生じて追加料金が発生し、増税後に完成した場合、追加部分には新税率が適用されます。(当初の金額部分は、旧税率が適用されます。)
以上のように、建築請負契約の時期と引渡しの時期によって、適用される消費税が異なります。注文住宅や大規模リフォームの場合、デザインの設計等に時間がかかったり、着工後も細かい変更などが生じて、引渡しに時間がかかるケースも多いようです。また、建築業者の担当者も、消費税増税前の駆け込み需要で、お客さんを掛け持ちする方が増えると思います。
建築請負契約を結ぶ工務店やハウスメーカーと、建築や引渡しのスケジュールや適用される消費税について、よく相談できるようにすることが大切です。期限に追われて急いで決断し、後悔するようなことがないよう、よく相談にのってくれる業者さんを選び、設計、引渡しまで、余裕を持ったスケジュールが取れるようにしましょう。
なお、建築前の分譲住宅や大規模マンションは、建築請負契約や売買契約から引渡しの時期まで、期間が長い場合があります。販売会社に、引渡までのスケジュールや消費税など、しっかりご確認ください。
家を建てる前に、ライフプランは、今すぐ立てよう!
消費税増税前にマイホームを手に入れるためには、早めに希望のプランや建築業者を決めることが大切ですが、「総額いくらまで、住宅に予算をかけられるか」という資金計画は、もっと大切です。住宅以外にかかる費用や、夫婦の今後の収入予測など、ライフプランを立てて、住宅にかけられる予算を把握しましょう。また、住宅ローンの借り方や住宅ローン減税、住宅取得のための優遇制度など、考えなくてはならないことがたくさんあります。住まいそのもののことだけでなく、お金周りについても、夫婦で協力しあって早めに情報収集を始めましょう。【関連リンク】
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