受験生に生じやすい「燃えつき症候群」とは
脇目もふらずに勉強に励んできた受験生たちが、ようやく試験に挑む受験シーズン。受験はストレスケアも大切ですが、受験の最中から合否発表後にかけて注意したい、最後の関門があります。それは、「燃えつき症候群」です。
大学受験では勉強中のストレスケアも大切ですが、受験期間から受験後にこそ注意したい関門があります。それは、「燃えつき症候群」です。
「燃えつき症候群」とは、あることに意欲と情熱を注いで取り組んできた人が突然無気力になってしまう心身の症状です。働きざかりの人に多いと言われますが、実は受験生にも注意が必要な症状なのです。
受験生は「志望校合格」という目標を果たすために、受験勉強に長い期間を費やします。しかし、気持ちの持ち方に注意しないと、勝負の途中で燃えつきてしまう可能性があるので、気をつけたいものです。では、受験生が注意すべき「燃えつきポイント」とは、どこにあるのでしょう?
国公立派は、センター試験直後の燃え尽きに注意
国公立派はセンター試験が終わり、平均点等の中間発表が開示された直後が最も注意すべき時期です。志望校の合格圏内に入っていることが分かると、2次試験の前に緊張の糸が切れやすくなってしまうことがあります。逆に、合格圏に遠いことが分かると、他校受験への気持ちの切り換えがうまくいかず、気力が湧かなくなってしまう人もいます。したがって、センター試験が終わった段階で緊張の糸を緩ませず、すぐに2次試験や他校受験への対策を始めた方がよいでしょう。
私大派は、押さえ校合格後の燃え尽きに注意
私大派にとって、2月は数日おきに試験と結果発表があるなど、スケジュールが目まぐるしく変わる月です。多くの受験生が5校前後の大学を併願し、数週間かけて受験に挑みます。この目まぐるしい期間には、燃えつき症候群になりやすいポイントがたくさん隠れているため、注意したいものです。
その一つが、第一志望校以外の大学の合否を確認した後で生じる燃えつきです。第一志望校以外の大学から合格通知を受け取ると安堵の気持ち戦意が喪失し、第一志望校に挑戦する前に燃えつきてしまうことがあります。逆に不合格の通知を受け取ると、「すべり止めなのに落ちてしまった」というショックから一気に自信を失い、そこで燃えつきてしまうこともあります。
また、宿泊して受験をする方も要注意です。受験のストレスに環境の変化によるストレスが重なることで急に疲弊して燃えつきを感じ、受験に集中できなくなってしまう人もいます。
受験後・合否発表後の「燃えつき症候群」
これらの危機を乗り越えて受験が終了した場合でも、共通して最も注意すべきなのが受験後の「燃えつき症候群」です。志望校に合格すると、勝利を手にした安堵感から一気に緊張が抜け、無気力に傾いてしまうことがあります。そして、せっかく入学しても再び勉強することに嫌気が差し、無気力が続いてしまうこともあります。
志望校ではない大学に進学した人には、徒労感と消耗感が急に湧いて無気力になる人、志望校への執着から気持ちの切り替えができなくなる人もいます。また浪人の道を選んだ人には再挑戦に意欲が湧かず、受験への嫌悪感から無気力になる人もいます。
このような心境になったら、その気持ちを誰かに打ち明けてみましょう。休養や気分転換が必要な人、目標の再設定が必要な人、環境の見直しが必要な人など、必要な対策はそれぞれ異なります。家族や教員、受験経験者に相談してもいいですし、大学生や予備校生は、学内・校内の相談室などの窓口で相談してみるのもお勧めです。また、憂うつ感や無気力感が強い場合には、早めに心の専門医に相談されることをお勧めします。