ミュージカル/ミュージカル・スペシャルインタビュー

Star Talk Vol.32 城田優、「前例」は自分が作る(6ページ目)

岸谷五朗さんと寺脇康文さんが主宰し、95年から多彩なオリジナル演目を発表してきた「地球ゴージャス」。その第14弾公演『The Love Bugs』で新たな役どころに挑戦中なのが城田優さんです。黄泉の国の帝王から音楽の天使まで、これまでも演じる諸役を輪郭鮮やかに演じてきた彼ですが、今回はどんな魅力を発揮してくれるでしょうか?*観劇レポートを掲載しました!

松島 まり乃

執筆者:松島 まり乃

ミュージカルガイド

唯一無二の「城田優」であり続けたい

『アップル・ツリー』16年5月28日~6月7日上演予定

『アップル・ツリー』16年5月28日~6月7日上演予定

――今後の話題としては、来年、初めて演出(ミュージカル『アップル・ツリー』)にも挑戦されます。

「演出には以前から興味がありましたし、5年くらい前に『ロミオ&ジュリエット』で、初ミュージカルの出演者の教育係というか、演出家の言っていることをわかりやすくひも解いて教えてあげることをするうち、お芝居をつけたり教えるってすごく楽しいって思ったり、そこから「自分だったらこう演出するな」とか演出目線でいろんなものを見るようになったんです。セットとか照明とか、全体のことも考えるようになって、自然に演出してみたいなと思うようになりました。

そもそも、ものを作るのが好きで、自分が演技しているより作っているほうが楽というか、もちろんプレッシャーはありますけど、失敗できないという思いの中で舞台に立つより、出来上がったものを裏方として見届けるほうが得意なんだろうなと思います。わからないですよ、来年演出してみて、みなさんに「ダメだなこれ」と思われたら演出家として僕は向いてないということになるかもしれないけど、自分の中では演技の才能より演出の才能のほうがあると思ってます。自分の見たい方向性に寄せていける、と」

――どういう表現者でありたいと思われますか?

「唯一無二の存在でありたいですね。前例のないものを作る、イコール唯一無二。「城田優さんみたいな俳優になりたい」「城田優さんみたいな世界観のものを作りたい」と言われるようになったら一人前だなと思いますし、『城田優』というカテゴリーが出来上がるまでになったら、人生悔いがないと思います」

――そんな城田さんにとって、今回の『The Love Bugs』のお役はぴったりですね。

「実際の舞台を御覧いただければ、僕が何をいわんとしているかわかっていただけると思いますが、今回の役には『すべて』が入っています。ぜひ、楽しみにしていてください」

*****
「打てば響く」ような明晰なその受け答えに、風格すら漂っていた今回のインタビュー。その背景には、かつて100回以上「否定」された経験から生まれた「前例を自分が作る」という固い決意があることが確認出来、城田さんが切り開いてゆく道が改めて見逃せないものに感じられます。そんな彼の今の「すべて」が詰め込まれているのみならず、モノづくりの姿勢という点でも深く共感しているという最新作『The Love Bugs』、まさしく必見と言えましょう。

*公演情報*ダイワハウスSpecial 地球ゴージャスプロデュース公演Vol.14『The Love Bugs』16年1月9日~2月24日=赤坂ACTシアター、3月1~3日=愛知県芸術劇場大ホール、3月11~13日=福岡サンパレス、3月19~29日=フェスティバルホール
*次頁に『The Love Bugs』観劇レポートを掲載しました!
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