ミュージカル/ミュージカル・スペシャルインタビュー

新春ミュージカルの祭典。ロベールとマットに聞く(2ページ目)

ミュージカル界にニューイヤーの定番ものはないの?それなら作ってしまおう!とのことで、日本初、新年を祝うミュージカル・コンサートが東急シアターオーブで開かれます!題して『ニュー・イヤー・ミュージカル・コンサート 2016』。世界の第一線で活躍する5人の実力派スターが、名曲群を歌いまくります。ロベール・マリアン&マット・ローランにお話を伺いました。追加でP5から来日したキャスト5名の会見をお届け!

三浦 真紀

執筆者:三浦 真紀

ミュージカルガイド


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左がマット・ローラン、右がロベール・マリアン。(c)Theatre_Orb


ロベール・マリアン&マット・ローランinterview

音楽一家に生まれ、ロック歌手として活動。
『ノートルダム・ド・パリ』でミュージカルと出会う (マット)

ーーまずマットから、今のキャリアを始めるきっかけを教えてください。
マット 13歳でギターを始めたことが、人生を変えるきっかけだった。曲を作りたい、5人目のビートルズになりたいと思うようになって。それから様々なバンドに参加し、15歳から18、19歳ぐらいまではツアー三昧だったな。
父と祖父はミュージシャン。父はいつもビートルズやカルロス・サンタナ、レッド・ツェッペリンなど、ロックやブルースを聞かせてくれたものだ。僕もクラブではブルースよくやってたよ。歌の練習ではジョー・コッカーやブライアン・アダムス、ブルース・スプリングスティーンを真似て、そのあたりの歌声のトーンを模索していたよ。
そのうち、モントリオールのテレビ番組の歌唱コンテストで2回優勝。母国語はフランス語だけど、歌はいつも英語で歌っていて。で、コンテストではフランス語で歌った。コンテストで優勝したことで、23歳の時に初めてのソロレコードを出すことに。3枚のソロレコードを出し、様々な仕事を経て、1999年ミュージカル『ノートルダム・ド・パリ』に参加することとなったんだ。

ーーマットにとって、『ノートルダム・ド・パリ』は初ミュージカルでしたね。
マット そう、これは自分にとって大きなターニングポイントとなった。ほぼ初めてのミュージカルで、今までにない経験になったからね。カジモド役は約17年間、1000公演以上演じた。こんなに長くやることになるとは、思ってもみなかったよ(注/マットは2015年冬の韓国公演を最後にカジモド役を卒業)。
同時にミュージカル、ソロアーティスト活動、多くのケベックのアーティストのレコードプロデュース、ビデオプロデュースを手がけてきた。

ーーミュージカルでは『ノートルダム・ド・パリ』『ロミオとジュリエット』『星の王子さま』『ドラキュラ』に出演なさったけど、主軸はアーティスト?
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パワフルな歌声が魅力のマット・ローラン。前回公演より。(c)Jun Wajda

マット うん。僕はミュージカルスターというより、どちらかというとロック歌手。だけどミュージカルからは学ぶべきことがたくさんあるよ。
たとえば演技をしたことがなかったから、ロベールからインスパイアされ、学んだことは大きい。ロベールと一緒にできるのは、素晴らしいことだ。
ミュージカルでの経験はソロレコードにも影響している。国際的に有名なスター、コルビー・キャレイ(カリフォルニア出身のシンガー・ソングライター。ジェイソン・ムラーズとのデュエット「LUCKY(ラッキー)」が国際的な大ヒットとなりグラミー賞受賞)と一緒にレコーディングした「Please,Please Stay」が僕の一番のヒットになったことは、まさにラッキーだったね!

僕の声は、ブライアン・アダムスに似ているかな。
昔はジョー・コッカーに憧れていた (マット)

ーーマットの硬質な声は『ノートルダム・ド・パリ』のカジモド役にぴったりですよね。
マット 僕の声はブライアン・アダムスと少し似ているかな。最近はそうでもないけど前はジョー・コッカーに似ていたよ。硬質に張り上げることもできるし、とても柔らかく歌うこともできる。いろんな声質が混ざっているんだ。
『ノートルダム・ド・パリ』でカジモド役のオリジナルキャストだったガルーは、ブルースを多く歌っていて、昔僕も同じブルースのクラブで歌っていたことがある。カンパニーは、ガルーと似たキャリア、雰囲気の人間を探していて、僕を見つけたんだと思う。ロベールも声域としてはカジモドを歌えるけど、声のトーンが違うんだよね。
ロベール 一般的なミュージカルだと、ソプラノ、テナー、バリトン、バスと役と声域が決まっているでしょ?ところが『ノートルダム・ド・パリ』は、どの役も同じ声域というのが特徴なんだよ。だからアレンジの幅が広く、様々な種類の声を調和させることができる。ある意味、役に合うトーンがはっきりしているといえるだろう。ロックか、ポップスか、ミュージカルか、という傾向が。
マット ロベールと僕は全く違うバックグラウンドから来ているのに、たとえばビートルズについて話すと意気投合しちゃうんだよ。

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