香港と江南の点心を楽しめる、上海の旬な飲茶レストラン
飲茶は本来、朝や午後に楽しむもの。上海では「早茶」や「午茶」と呼ばれています。点心は一人前3、4個入りが多いので、3~4人で行くのがベスト。写真は「家全七福酒家」の点心。
セイロに入ったエビ蒸し餃子にシュウマイ、春巻き、チャーシューまん。中国の食事といえばお茶を飲みながら点心を味わう飲茶(ヤムチャ)を思い浮かべるかもしれませんが、中国全土に飲茶の習慣があるわけではありません。本場として有名なのは広東や香港。数年前までは上海で本格的な飲茶ができるところは限られていました。しかし、この1,2年上海で飲茶が流行し、本場のレストランが次々と進出しています。行列ができる人気店も多数。夜も点心類を出す店も増えてきました。
飲茶メニューの注文は基本的にオーダー票に自分でチェックを書き込むスタイル。スープや麺の単位で「位」は一人前、「例」は大皿で取り分けられる量を指します。
数あるレストランのうち、今回は「味のレベルが高い」、もしくは「今勢いがある」ことを基準に、今の上海らしい6軒と、プラスαとして系列店情報もピックアップ。数年前に流行した点心食べ放題の店はセレクトしていません。観光客にはまだあまり知られていない、特徴のある旬のレストランを紹介します。なお、記事内の価格は2016年1月現在のものです。
新鮮な食材で広東&江南飲茶。空間も魅力の「晶采軒」
市内に支店がいくつかあるうち、グレードが最も高いのがここ。サービスのレベルも高いです。(写真提供/2点とも晶采軒)
味とサービス、雰囲気がよく、値段も高級すぎない飲茶として、今一番評判のいいお店の一つが晶采軒です。2014年にオープンした広東料理と上海料理のレストランです。夜は一人300元ほどかかりますが、昼はリーズナブルに楽しめる飲茶メニューがあります。
静安寺駅に直結したReel百貨店内に位置し、アクセスも便利。昼は平日でもお客さんでいっぱいです。予約は11時からしか受け付けておらず、予約が取れないときは待つしかありません。店内に待合スペースも用意されています。
江南地方独自の点心や料理も味わえます。中国茶も美味。
空間デザインはインドネシアの有名なインテリアデザイナー、ジャヤ・イブラヒム氏によるもの。高さ約10メートルの天井と赤い柱が印象的です。面積は1600平方メートル以上もあり、デパートの中とは思えない開放感があります。
価格を重視するなら晶采軒の系列店である「晶翠庭」がおすすめ。新錦江ホテル(長楽路161号)の2階にあります。ただし、ここは開店の10時半前から地元のお客さん(年配の方の率が高い!)が行列していて、予約も不可。遅めの朝食として開店前に行って待つか、11時半頃に行って2回転目を待つか、ある程度は並ぶ覚悟を。雰囲気やサービスは一気にカジュアルダウンしますが、平日なら一人70元ほどでコスパの高い飲茶が楽しめます。
<DATA>
■晶采軒
住所:南京西路1601号 Reel 3F
TEL:021-6472-1717
営業時間:11:00~14:00、17:00~22:00 無休
アクセス:地下鉄2、7号線「静安寺」駅より直結
眺めも味も秀逸。並ばずに入れる南外灘の「龍皇酒家」
香港の点心師による逸品揃いの点心類。日本ではなかなか食べられない美味しさです。
ここは香港の龍皇酒家グループが展開しているお店で、何をオーダーしても一定レベル以上の美味しさがあります。モダンにアレンジした点心が多く、黒トリュフ入りの黒松露粉果やキャビアをのせた黒魚子焼売はマスト。
窓からの景色。黄浦江対岸の超高層ビル、上海タワーを眺めながら飲茶を堪能できます。
浦東エリアには系列店の「皇璽」(浦東南路27号)があります。こちらも昼の点心が半額になります。
<DATA>
■龍皇酒家
住所:黄浦区中山東二路535号 十六舗B棟楼
TEL:021-3331-3666
営業時間:11:00~22:00 無休
アクセス:地下鉄10号線「豫園」駅より 徒歩17分
次ページでは夜も飲茶ができるカジュアルな人気店を紹介します。