ふすまの張り替えは自分でできる!簡単な方法と洋風アレンジ
ふすまを張り替えると、ガラリとイメージチェンジできます
たしかに本格的に張り替えるには手間がかかり大変ですが、初心者にも簡単にできる、ふすま紙の張り替え方法もあります。
ふすま紙は和のイメージが強くなりますが、洋室のイメージにしたい場合は壁紙を貼る方法もあります。ふすまは部屋の中で占める面積が大きいので、張り替えると部屋全体のイメージが変わります。簡単な方法から思い切ってふすまを貼り替えてみるのも楽しい作業ですよ。
<目次>
ふすまの種類
■本ふすま枠の取り外しできるのが本ふすま
■戸ぶすま
枠は外れません
■発砲スチロールふすま
プラスチックを芯材にして、上にふすま紙が貼ってあります。軽いことが特徴で、枠を外すことができません。
■段ボールふすま
3層ぐらいに重ねた段ボールの芯材の両面に湿気防止のアルミ箔を重ねてふすま紙が貼ってあります。軽いことが特徴で枠を外すことができません。
ふすま紙の種類
ふすま紙には、アイロン貼りタイプや切手のようにのりがついている再湿タイプなどがあります。初心者には枠を外さずに貼れるので、アイロンタイプがおすすめです。ただしプラスチックふすまやビニールふすまには貼ることができないので、ふすまのタイプも確認してください。ふすま紙の選び方・注意点
ふすまは通常2、3枚程度であれば、上から重ねて張ることができます。しかしふすま紙によっては下の柄が透けて見えてしまったり、重ね張りが出来ないものもあります。ふすま紙を購入するときに、説明書などで確認しましょう。アイロン貼りは下地も透けず、糸入りのふすま紙の上からでも重ね貼りができ、次に貼り替えるときもアイロンをかけながら剥がすことができます。
ふすま紙の張り替え・下準備
■必要な道具左からなでバケ、カッティングメジャー、引き手外し、カッター、引き手釘打ち、金槌
- 枠剥がし(代用可)
- 金槌
- 引き手釘打ち(代用可)
- カッター
- マスキングテープ
- カッティングメジャー
- 他にはニッパー、竹ベラ(代用可)、枠を外す場合は木槌、当て木など
■手順1:全体を軽く拭く
数枚ふすまを張り替えるときは、元の位置に戻せるよう、番号を書いておきます。そしてかたく絞ったぞうきんで全体を軽く拭いて、表面のほこりや汚れを取りましょう。
■手順2:引き手を外す
ふすまと引き手の間に差し込みます
下が傷ついてしまいそうな場合は、金槌の柄などを入れてテコの原理で持ちあげます。少し起こすことができればOKです。
■手順3:釘を抜く
引き手を外したところ
ふすま紙・アイロン貼りタイプの貼り方
アイロン貼りのふすま紙。柄や無地のタイプがあります
アイロンで貼ったふすま紙は、剥がすときもアイロンをあてて剥がすことができます。
■手順1:下地処理 破れがある場合は下ばり用補修紙や茶チリ紙を貼って補修しましょう。小さな穴や破れはそのままで大丈夫です。 そして枠にのりがつかないようにマスキングテープを貼ります。
■手順2:位置合わせ 柄の位置や高さを合わせます。上下左右約1cmほど大きくふすま紙をカットします。柄合わせラインが入っているタイプは下枠にラインを合わせます。
■手順3:印をつける アイロンをかける目安にするため、枠の内側に沿って、つめか竹ベラで印をつけます。印がわかりづらい場合は折り目をつけましょう。
■手順4:アイロンがけ アイロンの準備をします。アイロンに水を入れて高温スチームの設定にします。ふすま紙がずれないように中心から上下に向けてアイロンがけをします。スチームがしっかりかかるようにアイロンの先端を前に動かします。アイロンはゆっくり動かしてください。速く動かすと接着がうまくいかない場合があります。
■手順5:全体にかける アイロンは全体にかけていきます。中心から上にかけたあと、中心に戻り右にずらしながら数回に渡って枠までアイロンをかけます。次は左にといった感じで、内側から外側に空気を逃がすように繰り返しかけていきます。
アイロンは全体にかけるようにしてください。アイロンを押し付けすぎると本ぶすまの場合は骨組の跡がついてしまう場合があります。すべらせるようにかけてください。
■手順6:ふすま紙のカット 内枠に沿ってカッターで切っていきます。本ぶすまは枠とのすき間に入るよう垂直に下向きに、戸ぶすまは下のふすま紙を切ってしまわないようにカッターの刃先を枠側に斜めに向けて、刃を寝かせた状態できっていきます。 カットしたあと、仕上げに枠の内側にアイロンをかけます。
■手順7:引き手をつける アイロンをかけ終わったらマスキングテープを剥がします。そしてふすま紙をなでて引き手部分を探します。そしてカッターで切りこみを入れます。 そして引き手をはめ込んで釘を打ち込みます。釘は斜めに入っているので、釘打ちや専用の引き手釘打ちを使って打ち込みましょう。
ふすま紙・再湿タイプの貼り方(本格張りのやり方)
再湿タイプのふすま紙
下地のふすま紙によっては剥がさないと貼れない場合があります。下地のふすま紙を剥がした場合や下の柄が透ける場合は茶チリ紙を全面貼りしてください。
多少の曲がりやシワは気にしなくてOKです
■手順1:枠を外す 枠にマスキングテープで枠の上下左右を書いておきます。折れ合いクギ式やスクリュークギ式のものは、通常、上から下へ木づちで当て板をして軽くたたくと外れます。 上下の枠は釘で止まっているのでワク外しなどで外します。左右の枠は釘打ち式の場合はワク外しなどで外します。
見分ける方法は枠の表面に釘の頭が見えるかで判断してください。上下に釘が見えない場合は枠自体取り外すことができません。 折れ合いクギ式やスクリュークギ式はスライドして外せる構造になっています。枠を外すときは無理をしないようにしてください。
■手順2:ふすま紙を切る ふすま紙の巻きぐせをとってから、ふすま紙を下にひきます。そしてその上にふすまを置いて1cmほど大きくなるように切ります。
■手順3:水をつける ふすま紙の裏面を上にしてスポンジでたっぷりと水をつけます。ムラなく全体に水をつけてください。水をつけたあとはそのまま2、3分置いてなじませます。
■手順4:ふすまをのせる ふすま紙の上に2人でふすまを均等に余白が出るように置きます。そしてふすま紙ごとふすまを表に返します。
■手順5:ふすま紙を貼る なでバケで内側から外側に空気を押し出すようにします。シワができてしまった場合は一度シワの所まで剥がして、なでバケで空気を押し出すように貼り直します。
■手順6:側面を貼る 側面に折り込むように空気を押し出すように張っていきます。枠の厚みの半分を目安に余分な紙をカットします。 角の重なる部分も切り落としておきます。
■手順7:引き手の取り付け 本体を立てかけて、裏面にも全体的に軽く霧吹きをかけます。片面だけ湿った状態だと反る可能性があります。このときに水をかけ過ぎないように注意してください。貼ったばかりのときはたるみがありますが、乾燥後は縮んで紙がピンとなります。
そして陰干しで乾燥させましょう。日当たりのいい場所やストーブの近くに置いておくと反ってしまう場合があるので気をつけてください。そして、引き手の位置にカッターで切りこみを入れて引き手を取り付けます。
■手順8:枠の取り付け マスキングテープでつけた目印通りに枠を戻します。左右の枠を上下間違わないように下から上へたたいて取り付けます。そのあと、上下の枠を取り付けて完成です。
壁紙を使った、ふすまの洋風アレンジ方法
壁紙は柄が豊富です
上が輸入壁紙、下が国産壁紙
ふすまへの壁紙の貼り方
■手順1:のり付け 引き手と枠を取り外します。枠を外さない場合はを枠にのりがつかないようにマスキングテープを貼りましょう。壁紙の長さをふすまよりも5cmほど長めにカットします。国産壁紙はのり付きのタイプとのり無しのタイプがあります。のり付きの場合は裏のフィルムを剥がします。のり無しの場合は裏側にのりをつけます。
■手順2:壁紙を貼る 国産壁紙はミミと呼ばれる左右に柄が入っていない部分があります。上下左右おおよそ均等にはみ出すように壁紙を置いて下さい。中央からなでバケを使って空気を出すように貼っていきます。
■手順3:壁紙のカットと乾燥 枠の内側に沿って、つめや竹ベラで印をつけていきます。地ベラやカッティングメジャーをあててカッターでカットします。 引き手を戻して、裏面に全体的に霧吹きをかけます。反り防止のために裏面も同様に壁紙を貼る方法もあります。風通しの良いところで両面を乾燥させてください。貼りたては全体がたわんでいるように見えますが、水で伸びているためなので乾くと張ってきます。
マスキングテープでアレンジDIY! 全部張り替えなくても大丈夫
幅広のマスキングテープ
引き手周りは汚れが目立ってしまうことがあるので、汚れ対策にもなります。
■手順1:目安の紐をつける 今回は幅広のマスキングテープを使います。真っすぐに貼るために紐を目安の線にします。水平を測って紐を枠の両端にマスキングテープでとめます。
■手順2:マスキングテープを貼る 枠の内側にピッタリ合わせるのは難しいので1cmほどはみ出すように貼り始めます。貼ったところは手で上から押さえていきます。
■手順3:余分をカット マスキングテープの余分をカッターで切り落とします。今回は戸ぶすまに貼ったので枠側に刃先を倒し気味にしてカットしています。下のふすま紙を切らないように気をつけましょう。 引き手を戻して完成です。10分ほどで出来る簡単な作業です。
ふすま紙は紙が水で伸びたり、縮んだりするので、初めての方には難しい作業かもしれません。しかし下地にふすま紙が張ってあれば、あとから剥がすこともできるので、まずは上張りから挑戦してみてください。
両面テープで貼る場合は、のりと違って貼り直しがきかない分難しさもありますが、どのタイプのふすまにも使うことができます。両面テープの場合は剥離紙を剥がしたあと、少しずつ慎重に貼っていきましょう。
貼るまではという方も、引き手を変えるというイメージチェンジ方法もあります。径が同じであれば交換することができます。木のタイプや白色などさまざまなタイプが市販されているので、好みのものが見つかるかもしれません。
和室の考え方もさまざまです。自由に発想してぜひ空間作りを楽しんでください。
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