入院日数など平均データを知って、医療保険選びの参考に

生命保険会社の医療保険やがん保険のパンフレットを見ると、保障の必要性を解りやすく伝えるためにいろいろな統計が使われています。

その中の一つが、厚生労働省が3年に1回行っている「患者調査」。その平成26年(2014年)調査結果が先日発表されました。ここで最近の入院・通院(外来)事情を確認しておきましょう!
 

入院日数:平均31.9日。24年前より13日も短縮

退院患者の平均在院日数の年次推移

退院患者の平均在院日数の年次推移 出典:厚生労働省「平成26年患者調査」

入院患者が入院してから退院するまでの入院(在院)日数は平均31.9日。3年前の前回調査に比べて0.9日、24年前に比べたら13.0日も短くなりました。

3年前に比べて入院患者数自体も2万2200人減っており、短くなった0.9日と合わせて入院ベッドにかなり余裕がでたことになりますが、実際はどうなのでしょうか?

入院日数が31.9日になっても高齢化社会で医療財政が厳しいことに変わりはなく、今後もさらに短くなっていくと考えられています。
 

年齢別の入院日数:30歳前後は入院しても約11日間

退院患者の年齢階級別平均在院日数

退院患者の年齢階級別平均在院日数 出典:厚生労働省「平成26年患者調査」

入院日数は総数では31.9日ですが、年齢を区切ってみると、年代によってかなり差のあることがわかります。グラフは年齢を0歳、1~4歳、5歳からは5歳刻み、90歳以上に分けてそれぞれの平均入院日数を表したものです。

最も短いのは1歳~4歳で、わずか6.5日しか入院していません。25歳~29歳でも11.2日しか入院せず、44歳までは平均20日未満となっています。年齢が上がっていくと、平均入院日数は徐々に長くなっていきます。70歳~74歳で平均以上の33.5日となり、80歳~84歳で41.4日、90歳以上では76.3日に跳ね上がります。
 

傷病別の入院日数:がん、心疾患、脳血管疾患、いずれも短縮

傷病別退院患者の平均在院日数

傷病別退院患者の平均在院日数 出典:厚生労働省「平成26年患者調査」

今度は入院日数を傷病別に見てみます。主だった傷病の入院日数の推移を表にしました。三大疾病と言われている「がん(悪性新生物)」「心疾患」「脳血管疾患」はいずれも入院日数が短くなっています。

がんは19.9日でついに20日を切り、15年前の40.1日の半分になりました。心疾患も20.3日で、ともに平均より10日以上も短くなっています。一方で脳血管疾患は入院日数が長く、89.5日にもなります。それでも3年前に比べて3.5日、15年前に比べて20.6日も短くなっています。

他の傷病も多くは短縮化傾向にありますが、高血圧性疾患は前回よりも20日程長くなっています。治療方法や治療方針が大きく変わったのかもしれません。
 

患者数:入院患者数も外来患者数もわずかに減

平均入院日数の次は患者数を見ていきます。表は、主だった傷病の患者数(上は入院患者数、下は外来患者数)の年次推移を表したものです。
傷病別推計入院患者数の年次推移

傷病別、推計入院患者数の年次推移 出典:厚生労働省「平成26年患者調査」

傷病別推計外来患者数の年次推移

傷病別、推計外来患者数の年次推移 出典:厚生労働省「平成26年患者調査」

入院患者数は131万8800人で3年前に比べて2万2200人減り、外来患者数は723万8400人で3年前に比べて2万2100人減っています。入院と外来を合わせた総数は855万7200人。約15%の患者が入院していることになります。

入院患者の多い傷病は「がん(悪性新生物)」や「統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害」「脳血管疾患」「骨折」等で、外来患者の多い傷病は「高血圧性疾患」「脊柱障害」「歯肉炎及び歯周疾患」等となっています。

また、「統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害」「脳血管疾患」「肺炎」は外来に比べて入院のほうが患者数が多くなっています。
 

がんは入院よりも通院で治療するケースが増えている

がん(悪性新生物)は死に至ることも多い重度な疾病ですが、最近は入院せずに外来で治療している患者が多くなっています。
悪性新生物の入院・外来患者数の年次推移

悪性新生物の入院・外来患者数の年次推移 出典:厚生労働省「平成26年患者調査」

がんの患者数は30万800人で3年前と比べて2500人、15年前と比べて4万4100人増えています。ただ内訳は随分変わってきており、平成20年の調査で外来の患者数が入院の患者数を上回り、26年の調査では57%が外来となっています。がんは通院で治す時代になってきたのかもしれません。

がんの治療は陽子線治療や重粒子線治療の先進医療等、近年多くの治療方法が登場していますが、患者数の増加は止められないようです。
 

高齢になるほど入院受療率=入院する確率も上がる

最後に受療率についてみていきます。受療率は治療を受ける確率で、患者数を人口で割って求めています。受療率が高ければ入院や外来する確率が高いということになります。
年齢階級別入院受療率

年齢階級別の入院受療率 出典:厚生労働省「平成26年患者調査」

全年齢の入院受療率(人口10万対)は1038、つまり1%の確率で治療を受けている人(患者)がいるということです。3年前が1068、15年前が1170なので、入院受療率は徐々に下がっています。

年齢階級別(グラフ参照)では、0歳を除いて、年齢を重ねるとともに受療率が上昇。60~64歳で1064となり平均を上回ります。90歳以上になると8412なので、調査日に8.4%の人が入院していたことになります。

男女別では、男性の977に対して女性は1095で、女性のほうが入院受療率は高くなっています。傷病別に受療率をみると、がんは男性のほうが高く、関節症や骨折は女性のほうが高くなっています。
 

外来受療率は80~84歳がピーク

年齢階級別外来受療率

年齢階級別の外来受療率 出典:厚生労働省「平成26年患者調査」

全年齢の外来受療率(人口10万対)は5696となっています。3年前が5784、15年前が5396なので、徐々に下がっているわけではありません。年齢階級別では、15~19歳の率が最も低く、80歳~84歳の率が最も高くなっています。男女別では外来受療率も女性のほうが高く(男性5066、女性6292)なっています。

このように「患者調査」には、生命保険や共済で医療・がん保障を備える際に役立つ情報がたくさんあります。入院日数は医療保険にある1入院の限度日数(60日型や120日型)等に関係し、入院・外来の患者数は入院給付金や通院給付金の保障等に関係しています。受療率はそもそも保障が必要かどうかの判断にも役立つはずです。一度、厚生労働省「患者調査」のホームページをのぞいてみては如何でしょうか。

▼入院日数や患者数の平均データはこちらも
入院人数が最長なのは○○県?病気・ケガの最新事情(平成26年患者調査)
平均入院日数は3年で1割も短縮!!(平成23年患者調査)
推計患者数は入院が僅かに減少、通院は大幅に増加(平成23年患者調査)

▼保険選びはこんな記事も参考に
生命保険会社が合併・買収。自分の保険はどうなる?
保険会社の格付け&健全性ランキング2015
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。