病気・ケガの傾向は3年前と変わっている?

厚生労働省の患者調査の最新データから、昨今の入院・外来事情を調べてみました。

前回の「入院日数ますます短期化。がんも通院で治療する時代?」では、平均入院日数や患者数等、一般的な結果内容をお伝えしました。今回は一歩踏み込んで、平均入院日数が都道府県によって随分違うことや、傷病ごとの入院・外来患者数、救急車のお世話になりやすい傷病等について調べてみました。

昨今の入院・外来事情を知り、いざという時に困らないよう準備をしておきましょう!

入院の原因のトップは「統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害」

以前、保険会社の医療保険パンフレットに日本人の死亡原因の比率(3割弱はがん)が載っているのを見かけたことがあります。医療保険は病気やケガをした時に給付金を受け取って、経済的負担に困ることなく治療できるようにするための備えなので、死亡原因より入院原因を紹介する方が適切なのではないかと感じました。

そこで、患者調査の結果から、傷病ごとの患者数(入院・外来)を確認し、患者数の多い順に並べてみました。最初の表は入院患者数が特に多い傷病について、3年前との患者数の対比や、平成8年以降の推移についてまとめたものです。
主な傷病(小分類別)の推計入院患者数の推移

主な傷病(小分類別)の推計入院患者数の推移

入院患者数が一番多い傷病は統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害(165,800人)で、2番目は脳梗塞(99,500人)となっています。共に3年前に比べて5%弱減っており、長期的に見てもかなり減ってきています。

入院患者の総数は3年前に比べて1.6%程減っており、傷病別に見ても多くは減っていますが、3番目に多いアルツハイマー(47,000人)や心不全(31,600人)はかなり増えてきています。大腿骨の骨折は3年前に比べて約2倍に急増しています。
主な傷病(小分類別)の推計外来患者数の推移

主な傷病(小分類別)の推計外来患者数の推移

外来(通院)患者数が一番多いのはの本態性(原発性)高血圧(症)の665,800人で、2番目からは歯肉炎及び歯周疾患(444,700人)、歯の補てつ(305,700人)、う蝕(虫歯)の283,600人と歯に関する傷病等が並んでいます。外来患者の総数も3年前に比べてたら減っていますが(0.3%減)、インスリン非依存性糖尿病(148,400人)は21%も増えています。

がんの患者数は入院も外来も多い方に顔を出していませんが、これは傷病を細かく分類しているため。入院患者数では以下のとおりです。
  • 胃の悪性新生物 13,500人
  • 結腸の悪性新生物 11,600人
  • 直腸S状結腸移行部及び直腸の悪性新生物 7,300人
  • 気管・気管支及び肺の悪性新生物18,800人
  • 乳房の悪性新生物 5,400人 など
→悪性新生物全体では129,400人

患者数から入院や外来の要因を知ることで、日々の生活において何に気を付けたら良いかイメージしやすくなったのではないでしょうか。

入院日数が最も長いのは高知県!

総数(全傷病)と主な傷病の平均入院日数を都道府県別に確認してみました。結果をみると国内でも都道府県によって大きく異なる入院事情がよくわかります。

平均在院日数(傷病別)が長い都道府県

平均在院日数(傷病別)が長い都道府県

平成26年調査では全傷病の入院日数全国平均は31.9日ですが、都道府県別では高知県が最も長く48.8日(全国平均の1.5倍)となっています。2番目は鹿児島県(47.1日)、3番目は徳島県(46.7日)と続きます。

傷病別の入院日数では、悪性新生物(がん)は沖縄県(41.0日)と青森県(40.1日)が全国平均の2倍、糖尿病では山梨県(111.5日)が全国平均の3倍、高血圧性疾患では和歌山県(712.3日)が全国平均の11倍にもなっています。ここまで差があると、むしろ結果の信ぴょう性を疑いたくなります。
平均在院日数(傷病別)が短い都道府県

平均在院日数(傷病別)が短い都道府県

平均入院日数の短い県は神奈川県の24.9日で、全国平均より1週間も短くなっています。傷病別の入院日数では、高血圧性疾患は最も短い鳥取県(5.4日)は全国平均の1/10以下しかありません。奈良県や岐阜県等もかなり短く、最も長い和歌山県等とは治療方法が全く違うのかも知れません。

都道府県によって入院日数がここまでも違うと、備えとして検討する医療保険やがん保険の考え方も、生活場所に見合った内容にする必要がありそうです。

入院患者の1割は救急車で搬送されている!

最後に入院・外来患者の来院時の状況を取り上げます。下の表は入院患者と外来患者が病院等へ行く際にどの様な状況で行ったかの統計であり、その中の救急車による搬送に着目し、その割合の高い傷病を集めてみました。
傷病別入院・外来患者の来院時状況(救急車による搬送数)

傷病別入院・外来患者の来院時状況(救急車による搬送数)

入院患者の10.73%、外来患者の0.26%が救急車により搬送されています。傷病別では、胃潰瘍及び十二指腸潰瘍の入院患者の3割が救急車により搬送されており、骨折(26.48%)や虚血性心疾患(20.92%)等もかなり高い割合になっています。悪性新生物は5.24%で平均の半分程度しかありません。

救急車により搬送されるということは、その人にとっては非常事態であり、病院や入院時期を選べるような状態ではないはずです。もし入院するなら個室でも希望したいところですが、東京都にある病院の差額ベッド代を徹底調査!2014で取り上げているように病院によって差額ベッド代はかなり異なり、治療方針等も異なるはずです。

日頃から入院や外来で行きそうな病院等の情報を得て、いざと言う時に困らないよう準備しておきたいものです。

入院や外来の現状を細かくみていくと、自分が将来何の病気になりそうか、入院するなら何の傷病で入院しそうかなど、将来の不安をイメージしやすくなります。自分のためにも、たまには健康や備えについて考えてみてはいかがでしょうか?

▼過去の入院日数や患者数の平均データはこちら
平均入院日数は3年で1割も短縮!!(平成23年患者調査)
推計患者数は入院が僅かに減少、通院は大幅に増加(平成23年患者調査)
入院日数が18年で2割も短縮!医療保険はどう備える!?(平成20年患者調査)
がん患者数が6年で23万人増!今の備えで安心できる?(平成20年患者調査)

▼保険選びはこんな記事も参考に
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