企業のIT活用/IT経営の基礎知識

マイナンバー(法人番号公表サイト)で新規顧客開拓

マイナンバーには個人番号と法人番号があり、法人番号は公表されています。国税庁の法人番号公表サイトを活用して新規顧客先を見つけ、企業相関図を作ることができます。少し変わった活用法として日本で一番多い神社を見つけることもでき、八幡神社が一番でした。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

マイナンバー通知カードが自宅に届く

マイナンバー通知カードが自宅に届く

マイナンバー通知カードが自宅に届く

マイナンバー制度がいよいよ2016年1月からスタートします。自宅に届いたマイナンバー通知カードですが、もうちょっとしっかりした用紙を期待していたのですが、ペラペラの紙で、すぐ失くしてしまいそうです。従業員にしっかり保管するように言っておかなければなりません。

12月の年末調整にあわせて従業員から個人番号を集めようとしていた企業もありましたが、まだ自宅に届いていない、再配達をまだ受け取っていないという従業員が多く、断念した企業が多かったようです。

またシステム特需があると期待したITベンダーですが、実際の受注は想定したよりも少なく、多くの中小企業は様子見のようです。それほど従業員の異動がない会社であれば実質的に従業員から個人番号を集めるのは2016年末の年末調整でかまいませんので、あわてる必要はないといったところでしょうか。

年末までに従業員が退職するケースがあれば、中小企業退職金共済や特定退職金共済に個人番号が必要ですので、個別に集めることになります。退職金がかかっていますので、従業員も自ら個人番号を提出するでしょう。

法人番号公表サイトで新規営業先を見つける

法人番号公表サイトで新規営業先を見つける

法人番号公表サイトで新規営業先を見つける

マイナンバーには個人番号と法人番号があり、個人番号は厳格に守秘しなければなりませんが、法人番号は公表され、なにに使ってもかまいません。国税庁の法人番号公表サイトでは2015年12月から全ての法人番号が公表されています。

公表されているのは名称、住所、法人番号。法人番号は個人番号と違って公開されており自由に活用することができ検索もできます。

少子高齢化が進んでいるなか、企業をとりまく顧客は確実に減っていきます。常に新規顧客を開拓しなければなりませんが、言うはやすし、やるは難しです。そこで法人番号公表サイトを活用し新規営業先の見込み客を調べてみましょう。

法人番号公表サイトで各業界を調べる

法人番号公表サイトで建設業を調べる

法人番号公表サイトで建設業を調べる

例えば消費税の軽減税率対応が必要になってくるのが食品業界。インボイスの発行などシステム投資が必須です。

食品を扱っている会社に営業を考えている場合、法人番号公表サイトで新規開拓を考えている場所(県、市)を指定し、「食品」と入力して検索すると食品という社名をもつ法人一覧がでてきます。同様に「フーズ」と入力して探すことで、全てではありませんが、ある程度の見込み客を見つけることができます。

塗装関係の事業者なら「塗装」や「ペイント」で法人番号公表サイトで検索をします。建設業なら「建築」、「住建」、「不動産」、「工務店」での検索になります。

技術を持っていながらホームページがない製造業もたくさんあります。例えば特殊なメッキができる加工先を見つけたいのであれば、「鍍金」や「メッキ」で事業所を見つけ、会社名や屋号から電話番号を検索し問い合わせをすれば、ある程度、絞ることができます。マンションの住民向けに提案したい商材があるのなら、「管理組合法人」で検索できます。

法人番号公表サイトで企業相関図を作る

法人番号公表サイトでビジネス関連図を作る

法人番号公表サイトでビジネス関連図を作る

法人番号、名称、所在地はダウンロードすることができます。都道府県コードを使って都道府県に分けることができます。

全件ダウンロードの他に差分ダウンロードが提供されています。対象は新規に法人番号を指定した法人や、社名を変えた、本社住所を移した、廃業したなどの変更情報です。差分ダウンロードを活用すれば税理士などが新規開業した法人の見込み客を探すことができます。見込み客を調べるのが便利になるので企業に届くDMが確実に増えそうです。上場した日本郵政株式会社にとっては少し追い風になるでしょう。

法人番号を活用して信用調査会社が提供している企業相関図を作成することができます。企業相関図とは仕入先、販売先など取引先の会社を取り巻く状況をあらわしたものです。

営業が取引先を訪問した時、ホワイトボードに書かれている現場の名前、取引先ごとに並べられた台帳、パレットやコンテナに書かれた社名、あとは担当者との会話などで聞き出した情報で、どんな企業とつきあっているのか、ある程度、把握ができます。自社をとりまく企業相関図をどんどん拡げ、精度をあげていけば企業経営に有効な情報となるでしょう。

次は法人番号公表サイトを使って日本で一番多い神社を探してみましょう。
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