イタリア/イタリアの観光・世界遺産

トゥルッリがかわいい! アルベロベッロの町案内

南イタリア・プーリア州にある、まるでおとぎの国に迷い込んだかのような、三角帽子屋根の民家が並ぶ町アルベロベッロ。世界遺産に登録され、あまりに有名な観光地ですが、やはり一度は行って自分の目で確かめてみたいですね!

河村 英和

執筆者:河村 英和

イタリアガイド

一度は行ってみたい!南イタリアのかわいい町アルベロベッロ

Alberobello

イタリア人も外国人もみんな大好きな観光地アルベロベッロ (c)Ewa Kawamura


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トゥルッロの形をした聖アントニオ教会(Chiesa di Sant’Antonio)は、モンティ地区のモンテ・ペトリカ通り(via Monte Pertica)にあります(c)Ewa Kawamura

イタリア語で「美しい木(Alberobello)」を意味するアルベロベッロは、三角とんがり帽子の屋根が連なった独特で可愛らしい街並みで知られる町。南イタリア・プーリア州を代表する観光地ですが、その観光化は比較的新しく、第二次大戦後、1950年代よりイタリア人の間で人気の新婚旅行地として有名になりました。その後、1996年のユネスコ世界遺産登録より、日本人にとっても有名な観光地に。町に数多く残る伝統的な民家は、石灰の白い壁と、灰色の石でできた円錐形の屋根が特徴的な「トゥルッロ trullo(複数形は、トゥルッリ trulli)」と呼ばれるもので、16世紀から普及しはじめました。

おとぎ話にでてきそうな民家群「トゥルッリ」

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アルベロベッロの伝統集落トゥルッリの屋根には、さまざまな記号が描かれている (c)Ewa Kawamura


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トゥルッロの屋根の頂点は、ピンナコロと呼ばれる尖塔で蓋します (c)Ewa Kawamura

トゥルッロの伝統的な建築工法は、一切モルタル(セメントと水を混ぜたもの)を使うことなく、壁も屋根もすべて「積み石」で作り上げて造られています。それは、かつてナポリ王国が南イタリア全域を支配していた時代、納める税金を節約するために、家屋がすぐ取り壊しができるようにと、工夫が生んだ造形でした。ドーム状になった屋根には、なにやら謎めいた記号が描かれていますが、それぞれに意味が込められています。例えばハート模様は聖母マリア、燭台を描いたのはユダヤなどといった具合で、所有者の目印や魔除けにしました。

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名前もそのものズバリな、モンティ地区にあるホテル「Hotel dei Trulli」 (c)Ewa Kawamura

トゥルッロは、アルベロベッロ市内だけでなくプーリア州の各地に点在していて、近年では廃屋となったトゥルッロを購入し、リニューアルして別荘にするのがブームになっています。アルベロベッロでトゥルッロが集中しているのは、アイア・ピッコラ地区(Rione Aja Piccola)とモンティ地区(Rione Monti)。アイア・ピッコラ地区は高台の住宅街で、モンティ地区のトゥルッリの密集する景色が望めます。もちろん市内にはトゥルッロをホテルやB&B(朝食付きの小規模な宿)に転用した宿泊施設がいくつもあるので、そんなところで一泊するのも素敵ですね!

トゥルッリをモチーフにしたお土産もカワイイ!

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トゥルッロをモチーフにしたアルベロベッロのお土産の数々 (c)Ewa Kawamura


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お土産屋さんになったトゥルッロが並ぶモンテ・サン・ミケーレ通り (c)Ewa Kawamura

モンティ地区にあるメインストリート、モンテ・サン・ミケーレ通り(via Monte S. Michele)は、お土産屋さんが軒を連ねて賑わう観光の中心です。日本人の経営する有名なお土産屋さんもここにあります。アルベロベッロならではのお土産といえばやっぱり、石材でつくられたトゥルッロのミニチュア。ほかにもナプキンやテーブルクロスなどの地元の伝統工芸の織物、手描き陶器(州内の有名な陶器の町グロッタリエ産が多い)、思い思いに造形されてカラフルに着色された素焼きの粘土でできた笛(フィスキエット)などが典型的なお土産です。


その他のみどころ

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アルベロベッロの守護聖人コズマとダミアーノが奉られているサンティ・メディチ・コズマ・エ・ダミアーノ教会 (c)Ewa Kawamura


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往時のトゥルッロの生活が再現されている博物館トゥルッロ・ソヴラーノ (c)Ewa Kawamura

サンティ・メディチ・コズマ・エ・ダミアーノ教会(Basilica di Santi Medici Cosma e Damiano)には、アルベロベッロの町を守る二人の守護聖人コズマとダミアーノ(3世紀に活躍した双子の医者)の像と聖遺物が保管されています。この教会の新古典主義様式のファサード(1885年)をデザインしたのが、地元の建築家アントニオ・クッリ Antonio Curri(1848–1916)で、彼の名を冠したクッリ広場(piazza Curri)に面しています。教会の裏手からすぐ近くのサクラメント広場(piazza Sacramento)には、18世紀半ばに建った一般的なトゥルッロよりも規模の大きいトゥルッロ・ソヴラーノ(Trullo Sovrano)が。内部には昔の家具が置かれ、往時の生活が再現された博物館になっています。





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