第3位 『ぐりとぐらのあいうえお』
みなさんは、折句という言葉遊びをご存知でしょうか? 折句は大喜利などでよく見かける「言葉を織り込む言葉遊び」です。ぐりとぐらと一緒に、その折句を楽しむ絵本が『ぐりとぐらのあいうえお』です。例えば、絵本の中のあ行のページでは……
という具合に、文頭をつなげると「あいうえお」が完成します。以下、か行・さ行と続き、わ行+「ん」まで、リズミカルで愉快な折句が続きます。あさ
いもほり
うでまくり
えんやらやっと
おおきな おいも
あいうえおの絵本ですから、子どもたちがひらがな50音を読めるようになることを少しは期待して作られたのでしょうが、おなじみのぐりとぐらの世界観がひろがる絵本からは、「ひらがなを覚えさせよう」というような見え透いた下心が感じられず、純粋に言葉遊びの絵本として楽しむことができます。
それなのに、気が付けば子どもたちは、知らず知らずのうちに文字に親しみ、ひらがなが読めるようになっているのですから、作品の力と子どもたちの習得力の両方に驚かされますね。
一辺が13cmほどの子どもの手になじむ大きさは、お出かけ時にも便利です。
【書籍データ】
書籍名:ぐりとぐらのあいうえお
作:なかがわりえこ
絵:やまわきゆりこ
価格:514円
出版社:福音館書店
推奨年齢:3歳くらいから
購入はこちらから
>>次は、ぐりとぐらの絵本で唯一ミステリー仕立てのあの作品です