専有面積70m2台、おススメの間取り例
【図2】は専有面積77.83m2、3LDKではなく2LDKのファミリータイプマンションの間取りです。個室の数を二つにしているためそれぞれの空間にゆとりがあり、リビングダイニングは15.1帖を確保し、独立型のキッチン、10.4帖の主寝室があります。この間取りで前ページの冒頭で想定した家族がどう部屋を使うか、時系列でシミュレーションしてみましょう。
(1)マンション購入時(夫婦+小さい子ども1人)
10.4畳の主寝室に親子3人で就寝。リビング・ダイニングの隣にある個室(1)は、夫の書斎や妻の趣味室として使用。
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(2)二人目の子どもが誕生(夫婦+中学就学前の子ども2人)
10.4畳の主寝室に親子4人で就寝。リビング・ダイニングの隣にある個室(1)は、子どもたちが小さい時は専用のプレイルームに、小学校に上がったら勉強机を二つ並べ、子どもの勉強スペースとして使用。
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(3)上の子どもが中学に入学
(夫婦+中学生の子ども1人+中学就学前の子ども1人)
10.4畳の主寝室に親子3人で就寝。リビング・ダイニングの隣にある個室(1)は、中学生になった上の子どもの個室として使用。
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(4)子どもが二人とも中学生以上になった時
可動家具の例。底に車輪がついていて移動できる。特注でピッタリのサイズができる(画像:セキスイインテリアFAMO)
10.4畳の主寝室をカーテンや可動家具で二つに仕切り、子どもたちに与えます。リビング・ダイニングの隣にある個室(1)を夫婦の寝室として使用。
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(5)上の子どもが社会人として巣立った時
(夫婦+大学生までの子ども1人)
10.4畳の主寝室を夫婦寝室とし、リビング・ダイニングの隣にある個室(1)を下の子どもの個室として与えます。
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(6)子どもたちが巣立ち夫婦二人になった時(夫婦のみ)
10.4畳の主寝室を夫婦の寝室とし、リビング・ダイニングの隣にある個室(1)は、夫の書斎や妻の趣味室として使用したり、子どもたちが帰ってきた時に泊まる部屋(予備室)として使ったり、リビング・ダイニングとの境の壁を取り払い、20.9畳のひろびろリビング・ダイニングとして使ってもよいでしょう。
このように、個室の一つにある程度の大きさ(目安:8帖以上)があるメリハリのある2LDKなら、「子どもがもう一人欲しい」というご家庭でも、大きなリフォームをしなくても、可動家具やカーテンを利用して二人の子どもに個々の空間を与えることができます。もちろんお子さんが一人だったとしても、無駄になる空間はありません。その時々に、限られた専有面積をフル活用できるというメリットもあります。
お子さんがまだこれから増える予定というご家庭では、部屋数だけにこだわるのではなく、ひとつひとつの部屋の広さにも注目し、フレキシブルな住まい方のできる間取りをぜひ選んでいただきたいと思います。
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