マンション物件選びのポイント/マンションの間取り

マンションの間取りの基本:スキップフロア型

マンションには、エレベーターを各階ではなく数階おきに停止するようにした「スキップフロア」型があります。エレベーターが停止しない階は、共用廊下がないため採光・通風・プライバシー性が高くなります。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

マンションには、外廊下型 階段室型が組み合わさった「スキップフロア型」があります。スキップフロアを採用したマンションは独特な外観を持ち、その造形美に根強いファンもいるほどです。

エレベーターが停止しない階

スキップフロア型のマンションにはエレベーターの不停止階があります。

スキップフロア型のマンションにはエレベーターの不停止階があります。

スキップフロア型のマンションは、エレベーターはあるものの、各階には停止せず、数階おきに停止するようになっています。例えば9階建てのマンションで、エレベーターの停止階が1階、3階、6階、9階に設定されている場合、エレベーターは2、4、5、7、8階では扉が開きません。

上記の設定のマンション8階に住むAさんが外出する時の様子をシュミレーションしてみましょう。まず、自宅玄関を出たら、エレベーターの最寄の停止階である6階まで共用階段を使って降ります。6階には共用廊下(外廊下)があるのでそこを通りエレベーターまでアプローチし、6階からエレベーターに乗ってメインエントランスのある1階へ行く、という流れになります。 2階分の階段を足を使って降りています。

 
【図1】エレベーターが停止する階と停止しない階の平面図。

【図1】エレベーターが停止する階と停止しない階の平面図。


【図1】にエレベーターが停止する階の平面配置図とエレベーターが停止しない階の平面配置図を示しました。

 

スキップフロア型の特長

スキップフロア型マンションは、エレベーターが停止しない階には共用廊下が不要になるため、その分住戸の面積を広げたり、南北2面にバルコニーを設けて住戸内に通風・採光を得やすくすることができます。また、プライバシー性も高くなります。

エレベーターがついているので高層マンションも可能、基本的に「外廊下型」ではあるものの不停止階は「階段室型」のメリットを享受しているという点が最大の特長です。高い密度で住戸数を確保しつつ、少しでも良好な居住環境を確保しようとしています。

スキップフロア型で気をつけたい点

スキップフロア型のマンションは、エレベーターの不停止階の住戸では通風・採光・プライバシー性を確保できるメリットがある一方で、そのメリットを享受できない住戸もあり、同じマンションで条件の異なる住戸が混在していることになります。その点及び、不停止階の住戸については「階段を使用しないと自宅にアプローチできない」という点をどうとらえるかが大きなカギです。

若いうちは階段を利用することに問題がなかったとしても、年を重ねるごとに辛く感じることがあるかもしれません。エレベーターや共用廊下はマンションの共用部に当たるので、改修するのも難しいでしょう。

現在ではバリアフリー新法が制定されており、マンションでもバリアフリーが求められているのでスキップフロア型のマンションはほとんど建てられなくなりました。

次のページでスキップフロア型マンションの魅力のひとつ、外観の特長を見てみましょう。

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