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【2025年版】スギ・ヒノキ花粉飛散量予想と対策…例年との比較も

【医師が解説】2025年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量予測。花粉症の人にとって、今年の花粉飛散量を去年と比較し対策することは非常に大切です。2025年における花粉シーズンの花粉量予測・予想をチェックし、早めの対策を取りましょう。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

2025年のスギ花粉飛散予想・予測、例年との比較

スギ花粉飛散

今年もスギ花粉が気になる時期になりました

2025年の花粉飛散量は、全国的に2024年と比較して多いと予測されています。昨年と同程度の飛散量と予測される東海以外は、例年よりも多く、特に西日本は飛散量が非常に多い年になりそうです。

2025年のスギ花粉の飛散量は、主に前年2024年の夏の天候とスギ花粉の飛散量調査などを総合的に判断し、スギ花芽の発育と合わせて予想されています。

地域ごとの予測は以下の通りです。
  • 北海道:スギ・ヒノキはありません(シラカバで、前年より少ない(60%)、例年よりやや多い(130%)となっています)
  • 東北:前年より約180%で多く、例年より約160%で多い
  • 関東:前年より約160%で多く、例年より約130%でやや多い
  • 甲信:前年より約160%で多く、例年より約130%でやや多い
  • 北陸:前年より約170%で多く、例年より約130%でやや多い
  • 東海:前年より約100%で並、例年より約150%で多い
  • 近畿:前年より約380%で非常に多く、例年より約190%で多い
  • 中国:前年より約430%で非常に多く、例年より約170%で多い
  • 四国:前年より約840%で非常に多く、例年より約210%で非常に多い
  • 九州:前年より約270%で非常に多く、例年より約170%で多い
前年と比較すると、100%程度~840%と幅がありますが、非常に多くなっている地域がほとんどです。例年と比較しても、全国的に多いと予想されています。

この予想の根拠にある2024年の夏の気候を見てみましょう。

<目次>  

2025年スギ花粉飛散量に影響する2024年の夏の気候情報

スギの発育は夏の気候条件である最高気温・日照時間・降水量の影響を受けます。気温が高く、日照時間が多く、雨が少ないと、スギ花粉飛散数が多くなります。花粉飛散が多かった翌年の飛散量が少なくなる年を「裏年」、少なかった年の翌年に多くなる年を「表年」と言い、毎年交互になっていますが、表年、裏年での予想が必ずしも正確になってきておりません。2024年は飛散が少なかったとされていたので、2025年は前年より多くなる傾向がありますが、気候の影響も大きいと言えます。

それでは、2024年の夏の気候を見てみましょう。
  • 北海道:気温はかなり高く、降水量は多く、日照時間は多い
  • 東北:気温はかなり高く、降水量は多く、日照時間は多い
  • 関東:気温はかなり高く、降水量はかなり多く、日照時間は多い
  • 甲信:気温はかなり高く、降水量はかなり多く、日照時間は多い
  • 北陸:気温はかなり高く、降水量は平年並み、日照時間は高い
  • 東海:気温はかなり高く、降水量はかなり多く、日照時間はかなり高い
  • 近畿:気温はかなり高く、降水量は多く、日照時間はかなり多い
  • 中国:気温はかなり高く、降水量は多く、日照時間はかなり多い
  • 四国:気温はかなり高く、降水量は多く、日照時間はかなり多い
  • 九州:気温はかなり高く、降水量は平年並み、日照時間はかなり多い
でした。

2024年は全国的に降水量に比べて晴れてかなりの高温となりました。2024年のスギ花粉飛散が少なかったことも影響して、2025年は全国的に2024年より多く、例年より多いと予想されています。特に西日本は2024年より非常に多いので要注意と言えます。

 

2025年の花粉症におすすめの対策方法

インフルエンザ、COVID-19の流行などの感染症対策として外出時のマスク生活をすることで、花粉症の症状は比較的ましであったことをこの数年経験していると思われます。ただ、2025年は2024年より多く、例年より多いので、油断せずに警戒した方がよいでしょう。花粉症の症状は人それぞれですので、それなりに対策は必要で、早めの対策をしておくに越したことはありません。本格的な花粉飛散シーズンの前に、自分にあった対策をとるようにしておきたものです。

花粉の飛散時期は、2024年と同様、九州では、2月上旬から始まり、北上し、例年並と予想されていますが、2025年は飛び始めの時期が早まる可能性があります。東北では2月下旬から3月上旬には飛散し始めます。

2015年から保険診療で可能になった舌下免疫療法を既に受けている人の中では、効果を実感している人もいると思われます。この治療を行う場合は飛散前に3カ月は行った方が望ましいとされ、毎年6月から12月から治療開始されていることが多いです。2025年にひどかった人は2025年中に検討してみたらいかがでしょうか?ただし、この舌下免疫療法は花粉の飛んでいない季節も含めて3年から5年間毎日続けないといけない治療ですし、取り扱っている医療機関が限られていますので、事前に問い合わせておきましょう。詳しくは「スギ花粉にも有効?ついに始まる花粉症の舌下免疫療法」をご覧ください。

毎回のことになりますが、花粉症対策はポイントは以下の3つです。つまり、体外の花粉、体内へ花粉の侵入、体内の花粉に対する対策の3つです。
 
  1. 身の回りに飛散する花粉量を減らす
  2. 花粉の体内への侵入を防ぐ
  3. 花粉症の症状の軽減

身の回りに飛散する花粉量を減らすためには、屋内、とりわけ自宅内の花粉量を減らす工夫が大切です。そのためには、花粉の飛散時期には特に、こまめに掃除することが有効です。できれば、人の動きのない朝に掃除をし、掃除の排気で舞い上げる可能性もありますので、拭き掃除の方がよいかもしれません。空中の花粉を減らすには、空気清浄機も1つの方法ですが、空気清浄機は端におかず、人の動きの多い所やエアコンの風の対面などに置くようにしましょう。感染症対策として喚起するなら、窓はあまり開けずに、カーテンを使用しましょう。アウターは花粉の付着しない素材(綿、化繊など、ただし静電気には注意)がお勧めです。屋外の対策は、花粉の飛散の多い日の外出を控えるようにします。

花粉の体内への侵入を防ぐには、マスク、メガネをつけておきましょう。早めに花粉症のシーズン程度分のマスクを用意しておきたいものです。

目や鼻に侵入した花粉を減らすには、生理食塩水で洗浄するのも1つの方法です。
マスク

花粉の体内の侵入を防ぐ定番はマスクです

花粉症の症状を早期に抑え、悪化を防ぐには、花粉が飛散する前(1週間程度前)または飛散開始直後に症状が出始めたら、くしゃみ・鼻水に効く「抗ヒスタミン薬」や鼻づまりに効く「抗ロイコトリエン薬」を内服する初期療法がお勧めです。特に、眠気の少ない「抗ヒスタミン薬」は現在、市販されております。
費用が高くなりますが、重症のスギ花粉症に対する治療として、抗IgE抗体(オマリズマブ)という皮下注射もあります。ただし、実施できる医療機関が限定されています。

感染症対策にも言えることですが、普段からの体調管理も需要です。
体調が悪いと花粉症の症状は悪化しますので、普段から体調を整えておく必要があります。睡眠不足は花粉症を悪化させ、花粉症のために睡眠不足になります。

普段からバランスのとれた食事を規則正しく摂取し、規則正しい生活で十分な睡眠をとることです。

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