ED(勃起不全)治療のバイブルである『ED診療ガイドライン2012年版』は、EDを「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態」と定めています。
 
EDかどうかは単なる勃起の有無ではなく、性行為で射精できるかどうかで決まる

EDかどうかは単なる勃起の有無ではなく、性行為で射精できるかどうかで決まる

この定義で見落としてならないのは「満足な性行為を行うのに十分な」という一節が「勃起」の前に入っていることです。

EDというとただ単に、ペニスが勃起しない状態を思い浮かべる人が多いと思います。しかし、勃つ/勃たないはEDかどうかの決め手にはなりません。ガイドラインの定義に照らすと、たとえマスターベーションで射精できても、性行為で射精できなければ、EDである可能性が高いといえるのです。
 

EDは「まったく勃起しないこと」ではない

EDとは「Erectile(勃起)Dysfunction(不全)」という英語の頭文字をつなげたものです。不全とは状態が不十分ということですから、この言葉自体に「まったく勃たない」という意味は含まれていません。

逆に、性交の場に臨んでも勃起するまでに時間がかかったり、勃起しても長くもたなかったり、性交の途中で萎えてしまったり(中折れ)すれば、それらはすべてEDであると考えられます。一旦は勃起しても性交を完結することができないからです。

もちろん、まったく勃起しないのは典型的なED症状ですが、「たまに勃起しないことがある」「勃起できるかどうか不安になる」など、本人が勃起に満足を感じられない場合もEDと考えられ、治療の対象となります。
 

日本人男性のED人口は、4人に1人

1998年に行われた調査によると、日本人男性(成人)のうち、

中等度ED(たまに勃起、性交中勃起は維持できる)=870万人
重度ED(勃起せず、性交も不可能)=260万人

でした。この結果を踏まえて、一般に日本人のED人口は約1130万人とされています。

年代別では、
40歳代=5人に1人
50歳代=2.5人に1人
60歳代=1.7人に1人
平均=4人に1人
が中等度以上のEDと考えられています。

このことから、EDはある年代層に偏った特別な病気ではなく、身近な生活習慣病であるといわれるのです。
 

満足な性交ができるかどうかがポイント

例えば、次のような症状もEDに含まれます。

・性欲はあるのに興奮しても勃起しない
・勃起しても十分に硬くならない
・いつもダメなわけではない
・勃起しても長続きしない
・挿入しても柔らかくなって抜けてしまう

これらに共通するのは、ガイドラインの定義にある「満足な性交」を行えるだけの勃起が得られていないということです。つまり、EDかどうかを見極めるポイントは単なる勃起の有無や射精の有無ではありません。

勃起や射精が普通にできてもEDという場合もあります。すると「マスターベーションで勃起し、射精もするので、自分はEDではない」と胸を張る人がいるかもしれません。
 

マスターベーションは目安にならない

射精現象は同じでもマスターベーションと性行為によるものとでは意味が違う

射精現象は同じでもマスターベーションと性行為によるものとでは意味が違う

しかし、結論を先にいえば、マスターベーションができるかどうかはEDの確かな目安にはなりません。たとえマスターベーションで勃起し、射精に至ったとしても、パートナーとの性行為で満足のいく結果を得られなければEDとみなされます。その理由は、冒頭で紹介した定義の通り、性行為ができるかどうかが判断の拠り所になるからです。

マスターベーションと性行為の最も大きな違いは「パートナーがいるかどうか」です。自分のペースで進められるマスターベーションと異なり、必ず相手がある性行為は緊張感を伴うことが少なくありません。

ジェネリック商品などのED治療薬はこうした緊張感などが引き金となる心因性のEDに有効です。「マスターベーションはできるのに…」と悩んでいる人には特に効果を実感することができるでしょう。

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