日本にはED(勃起不全)で悩む人が約1130万人いるといわれています。40歳代の3人に1人の割合です。ところが、実際に病院やクリニックで相談したことがある人は、このうちの5%ほどに過ぎないという調査結果があります。つまり、95%の人はEDの悩みを抱えながら、なんの手も打っていないことになります。インフルエンザの疑いがあれば、すぐに医者にかかるのに、どうしてEDの受診率は低いのでしょうか。患部の場所や症状を考えれば、足を運びづらいのはわかります。しかし、そのためらいが豊かな生活や人生の喜びを遠ざけているかもしれません。EDは治療薬で簡単に改善できる病気です。深く考えず、病院やクリニックの門をくぐってみませんか。

泌尿器科でなくても受診できる

どうやら自分はEDらしい。治療のために病院やクリニックに行く決心もした。しかし、何科を訪ねればよいのだろう。そんな迷いを抱えた患者さんは少なくないと思います。EDの症状が起こる場所を考えると真っ先に思い浮かべるのは泌尿器科でしょう。

しかし、結論を先に言えば大抵の診療科でED相談はできます。EDはさまざまな理由で起こりますが、最近は生活習慣病に伴うEDが増えており、自分の体をよく知っているかかりつけ医で相談する患者さんも多いようです。

もちろん、形成外科でも神経内科でもOKです。大切なことは自分ひとりで悶々と悩み続けるのではなく、何科でもよいので、まず病院やクリニックなどを訪ね、症状や悩んでいることを相談しましょう。

驚くほど低い病院やクリニックの敷居

「武士は食わねど高楊枝」はED治療には通じない。やせがまんせず診察を受けよう

「武士は食わねど高楊枝」はED治療には通じない。やせがまんせず診察を受けよう

診察は問診が中心であり、その結果EDであると診断され、ED治療薬を服用しても差し支えない健康状態であることが確認できれば、その場でED治療薬が処方されます。このように、病院やクリニックの敷居は驚くほど低いと感じるはずです。

EDの症状を自覚していながら、なかなか病院への第一歩を踏み出せない理由の多くは、その原因がストレスやたまたま今回だけと決めつけているからでしょう。実際「ストレスは一時的なもの」「放っておけば、何かの拍子に元に戻る」と考えている患者さんは多いようです。

何回かに1回の割でうまくいけば、治療はますます後回しになります。しかし、放っておいても多くの場合は改善が見られません。残念ながら「何回かに1回」ということは、ED予備軍の証拠なのです。

ストレス以外の原因も少なくない

多くの男性はEDの症状をストレスを原因とする心理的なもの(心因性)と考えます。そのこと自体、間違ってはいませんが、体の不調を原因とする器質性の場合も少なくありません。半年以上、同じ症状が続いているなら、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病との関係も疑われます。

これらの生活習慣病はいずれも血管に関わりのある病気です。ペニスに血液を送る動脈は体の中で最も細い血管の1つで、喫煙習慣やメタボリックシンドロームなど、血管の老化を早める環境にいる男性は注意が必要です。

また、ストレスによるED症状が半年以上も治まらない場合には男性更年期やうつなどによる障害の可能性も考えられます。心当たりがあれば、早めの治療をお勧めします。EDばかりでなく、それ以外の隠れた病気が見つかることもあるからです。

増えてきた、患者さん本位の施設

診察時には恥ずかしがらず、悩みや望みをありのままに伝えることが大切

診察時には恥ずかしがらず、悩みや望みをありのままに伝えることが大切

EDの診断では、時に患者さんの性生活や性機能に関する問診が行われます。患者さんの悩みがどこにあり、どのような治療を望んでいるのかを探るためです。

羞恥心が働いて事実を伏せたり、真実をゆがめたりするとその後の診察や治療の選択に支障をきたします。ですから、照れたり、遠慮したりせず、自分が不満に感じている点や治療に対する希望を率直に伝えることが大切です。

現在あるシアリス、バイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ等によるED治療は心因性であっても器質性であっても、有効性が認められています。その中心となるED治療薬の高い効果は国際的にも知られています。

最近は患者さんが周りを気にしないで、ためらわずに相談できるよう、プライバシーが守られる個室での受診や院内処方など、患者さんの気持ちに寄り添った病院やクリニックが増えています。女性に特化した婦人科があるように、男性に狙いを定めた受け皿となる施設はこれからも増えていくでしょう。

>>EDの治療、費用の仕組みはどうなっているの?

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