年々厳しくなる「夏の暑さ」。猛暑とも酷暑ともいわれる暑い季節は体力も精力も減退してしまいそうですが、ではそもそも、暑い季節というものはED(勃起不全)になんらかの影響を及ぼすものなのでしょうか。

夏バテによる「試合中止」はEDではない

暑さで疲れているときにできないのは身が入らないだけで、EDではない

暑さで疲れているときにできないのは身が入らないだけで、EDではない

「1回の射精に要するエネルギー量は400メートルを全力疾走したときと同じ」という俗説があります。事の真偽はさておき、“フィニッシュ”の間際に脈拍数が増え、息が乱れ、汗をかく、という一連の身体変化を男性なら誰でも経験しているはずです。つまり、それくらい体力を消耗する行為であるということです。

しかし、特に夏場は室内と屋外を行ったり来たりすることによって起こる温度差が「夏バテ」を招き、これによる“コールドゲーム”や“試合中止”を経験した人は少なくないはずです。

確かに、暑さにやられて疲れているときや寝苦しい夜などは「その気」にならなかったり、億劫だと感じたりすることもあるでしょう。しかし、それは、行為そのものに身が入りにくいだけであり、EDの症状とは考えられません。

EDは季節とは無関係

専門医がED治療でも参照している『ED診療ガイドライン2012年版』では、EDを招く恐れがある要因として、加齢、喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、肥満と運動不足など13項目を挙げています。しかし、暑さ(高温)との関係には触れていません。

つまり、暑いからといって、勃たなくなったり、逆に勃つ勢いが良くなったりすることもありません。逆もまた真なり。寒いからといって勃起力に大きな差が出るわけでもありません。

そう考えると、EDには季節性はなく、精力の衰えをどう補うかという「知恵と工夫」が大きなカギを握っているといえそうです。土用の丑の日のうなぎや焼肉に代表されるように、夏場のスタミナ補給策は期せずして、夜を乗り切る体力増強策にもなっています。

精力増進に効くとされる食べ物には一理ある

「医食同源」(薬と食べ物の源は一つ)という言葉があるように、病気と食生活には密接な関係があるとされています。

古来、精力増進や疲労回復には「ぬるぬる、ねばねばしたものが良い」といわれています。納豆、山芋、オクラなどです。栄養価は高いのですが、その栄養を精力につなげられるかどうかは個人差があるようです。

これらよりは精力補給に役立つと思われるのが、タンパク質の材料であるアミノ酸の一種、アルギニンという成分を含んだ食品です。アルギニンは血管を広げ、血流を促すはたらきがあり精子の主要成分でもあります。玄米、豆類、ナッツ類、鶏肉、エビ、牛乳、赤身肉、魚介類、乳製品などに多く含まれています。

また、ビタミンEや亜鉛なども精力減退を抑えるはたらきがあるといわれています。

基礎体力づくりにも効果的なスクワット

EDを防ぐ第一歩は日頃からバランスのよい食生活や基礎体力作りに努めること

EDを防ぐ第一歩は日頃からバランスのよい食生活や基礎体力作りに努めること

『ED診療ガイドライン2012年版』で明らかなように、EDは生活習慣の乱れで起こることが多い病気です。いくつか示された要因によって現れる下半身の血管の機能障害がEDであるともいえます。

それを改善する手立てのひとつとして、上述のような効果的な栄養素の摂取もありますが、「適度な運動」も基礎体力の維持に役立ちます。といっても、高額のジムに通う必要はありません。おすすめは、その場でできるスクワットです。スクワットで筋肉が鍛えられると男性ホルモンの分泌も増えるので効果的です。

・ まず、両足を肩幅よりも広めに開いてまっすぐに立ちます。
・ 次に、膝がつま先より前に出すぎないようにしてお尻を突き出し、膝を曲げます。
・ そして、太ももが床と平行になるまでしゃがみ、ゆっくりと膝を伸ばして立ち上がります。

10回を1セットとして1日5セットを目安にするとよいでしょう。

これまでみてきたように、EDには特別な季節性はありません。努めて正しい生活習慣を続けていれば“予備軍”の段階でとどまることができます。

それでも、異変を感じたり不安になったりしたら、ED治療薬を処方している病医院を訪ね、シアリス、バイアグラ、レビトラなどのED治療薬を処方してもらうとよいでしょう。

>>ED予防に役立つ食生活とは?

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。