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今年は堂々と振る舞う。聖夜ディナー(2ページ目)

またいつものクリスマスを迎えますか? 今年、これまでで最高の聖夜にするための心構えや振る舞いを、マナー講師の視点で提案いたします。緊張感が高まる、 1年のフィナーレを彩るひととき。クリスマスディナーを堂々と愉しむためのエクセレントポイントをお伝えしてまいります。

諏内 えみ

執筆者:諏内 えみ

暮らしのマナーガイド


レストランですべきこと

■エスコートを愉しむ
お店のランクと周りのゲストに合わせたエスコートを。

お店のランクと周りのゲストに合わせたエスコートを。

普段はエスコートなど気にされないカップルであっても、エスコートが相応しい空間では、やはり周囲の雰囲気に従うのがスマートであり、マナーでもありますね。男性の方は、レディファーストをお忘れなく。ドアを開けて、先に女性を通すのはもちろん、エレベーターの乗り降りでも、“彼女を先に”が鉄則。そして、お店のフロントに着いたら、やはり男性が「○時にお願いしている、○○です」と堂々とおっしゃってください。

スタッフが「コートをお預かりいたします」と言われる前に、彼女がコートを脱ぐのを手伝い、コートは男性からスタッフに渡してあげましょう。彼女はもちろんのこと、お店のスタッフもあなたのスマートな振る舞いに感心されるはずです。

席までの動線も重要なポイントです。スタッフが案内しますので、女性を先に、その後ろにあなたがつづきます。案内されたテーブルでは、女性が座るまで男性は座らずに。エスコートしている自分を愉しむ余裕が出てくれば、もう大丈夫です。


■期待外れを愉しむ
不運にも、予約したお店の雰囲気やサービスが想像と違う場合もありますよね。そこで、しらけてしまってはもったいない。大切なクリスマスの時間を共有しているのですから、前向きに愉しく考えること。例えば、「あらあら、今日は忙しくて大変そうね」「こうすればリピーターが増えるのにね!」「今の接客、何点だと思う?」など、不満ネタをポジティブに会話してみるのも大人かもしれません。

もし、席が気に入らない場合、あきらめたり、我慢するのではなく、「こちらはちょっと落ち着かないので、あちらのお席に替えていただけますか」と堂々と交渉してみましょう。ほとんどの場合、席が空いていれば変えてくれるはず。不満を感じたら、それに対して交渉することを愉しむ余裕が、ディナーを盛り上げるコツです。


■オーダーを愉しむ
フレンチでもイタリアンでも、一流レストランとなればメニューを見ても、分からない名前や料理法があるのは当たり前。少しも恥ずかしいことではありません。「こちらのお店は初めてなので、おすすめのコースを教えてください」「この時期、人気のメニューは何ですか」と正直に聞いてみましょう。

スタッフはおふたりに好感を持ちますし、自慢のメニューやコースをすすめてくれます。お店にはプライドもありますから、すすめるメニューには当然自信を持っているはず。知ったかぶりしてオーダーして、好みでないお料理ではせっかくのクリスマスディナーが台無しです。


■ソムリエを愉しむ
ソムリエを味方につけ、スマートなワインオーダーを!

ソムリエを味方につけ、スマートなワインオーダーを!

レストランで難しいのはワイン選び。見栄を張って高いワインを注文するようでは、スマートとは言えません。ここでも率直にアドバイスをもらうのがベスト。ソムリエを呼んでいただき「今日の料理を最高に引き立てる、一番リーズナブルなワインをお任せしますので、選んでいただけますか」と言ってみましょう。ソムリエとしての矜持がありますので、真剣に選んでくれます。ワインに詳しくない者がプロに尋ねるのは当たり前のこと。ソムリエとの会話も、ディナーをさらに愉しくする醍醐味のひとつです。


■テーブルマナーを愉しむ
基本を押さえておけば、ふたりのディナーを愉しめます。

基本を押さえておけば、ふたりのディナーを愉しめます。

さて、これからが本番です。ふたりがオーダーまで堂々と行えたら、お料理も堂々と愉しみたいですね。それにはまず、背筋をスッと伸ばして召し上がりましょう。堂々としたふたりの姿は、他のお客様やスタッフからも『お店に相応しいお客様』として素敵に映ることでしょう。

もちろん、基本テーブルマナーを押さえておく必要も。私のスクールでも、クリスマスが近づくとテーブルマナーレッスンのリクエストが多くなります。

特に格式のある本格的なレストランでは、周りのお客様やスタッフの目もありますから注意したいものです。余裕を持って堂々と振る舞えるよう、ナプキンやカトラリの使い方などの最低限のマナーは、事前にチェックしておきましょう。

■スマート会計を愉しむ
食後のデザートやコーヒーをいただいた後、慌ててレジには行く必要はありません。一流レストランでの会計は、テーブルチェックが一般的です。ここではスマートにカードで会計をしたいもの。できれば、女性が化粧室に立ったタイミングでサッと済ませるのが理想的。

このようなレストランでは、割り勘はあまりスマートには映らないもの。もし割り勘になさる場合は、ここでは男性が一旦まとめて会計するように。

お帰りも同様に、彼女を先に促すようにすればスマート。自分のコートの前に彼女のコートを受け取り、着るのを手伝ってあげましょう。出口ではお店の方がお見送りしてくれますから、「素晴らしいお料理とサービスで、とても良いクリスマスになりました」と一声添えれば完璧です。


堂々と振る舞うために

このように、ちょっとしたことで、クリスマスディナーが何倍にも愉しめ、ふたりにとって思い出に残るひとときになることが、お分かりいただけたはずです。

できることは、事前に確認しておく。できないこと、わからないことは、プロに堂々と聞く。そして、最低限のテーブルマナーは心得ておくことで、気持ちにもゆとりが生まれ、相手への心配りができ、結果的に会話が弾むという、良い連鎖を生むのです。

今年の聖夜は、ぜひ自信を持って堂々とした“Proudly Xmas”を愉しんでみてください。


■諏内えみ 参考記事■
「特別なお客様」になれるレストラン予約」
「再確認したい、テーブルマナーの基礎」
「洋食・フランス料理の食べ方マナー」
「スマートに使いこなす ナイフ&フォークのマナー」






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