任天堂のゲームがニコニコ動画を独占?
本家のスーパーマリオシリーズではありえないような超絶難易度のコースをクリアしたり、スーパーマリオのステージで計算機を作ってしまったり、色んな実況が生まれています
2014年12月1日、任天堂は自社のゲームの一部をニコニコ動画の「クリエイター奨励プログラム」に対応させ、投稿動画に正式な許諾を開始しました。この試みは、驚くべき効果を発揮し、非常にうまくいきました。一方で、あまりにうまくいきすぎて一部のニコニコ動画ユーザーの反発を受ける、という状況も起きています。これを「スーパーマリオメーカー問題」と提唱して呼びかける人達が現れました。
スーパーマリオメーカー問題とは何なのか、ちょっとお話してみたいと思います。また、これは本質的にはニコニコ動画というものが今後どうなっていくか、という議論なのですが、そこからちょっと離れて、ゲーム業界から見ると、今起きている現象がどういう意味を持つのか、考えてみたいと思います。
スーパーマリオメーカー問題
スプラトゥーンも、多数の実況がアップされ、ゲームを盛り上げました
そもそも、大きな異変が感じられたのはスーパーマリオメーカーではなく、スプラトゥーンでした。スプラトゥーンは発表された直後から世界中のゲーマーがこれは新しい遊びだ、と直感的に注目していたタイトルです。発売前、Wii Uをオンラインに接続して、決められた時間で少しだけ対戦を遊ぶことができる「完成披露試射会」が行われると、多くのユーザーが参加し、そしてその模様がゲーム実況としてニコニコ動画にUPされました。
そしてこの時のスプラトゥーンのゲーム実況というのは、大変にエキサイティングなものでした。スプラトゥーンという未知のゲームの魅力が、ゲーム実況によって一気に拡散しました。その後、実際にゲームが発売されると、やはりスプラトゥーンのゲーム実況は多く投稿され、そして人気を集めました。
そして、スーパーマリオメーカーです。スーパーマリオメーカーはWii U GamePadを使って、自由な発想でマリオのステージを作ることができるというゲームです。それぞれのユーザーが作ったゲームをみんなに見せたいし、世界中の人がどんなステージを作っているか知りたいですよね。ゲーム実況にうってつけのゲームです。
かくして、スプラトゥーンに続き、ゲーム発売直後、ニコニコ動画のランキングをスーパーマリオメーカーの実況で埋め尽くし、スーパーマリオメーカー問題なる懸念が浮上することとなりました。
さて、この現象を正確に理解するには、クリエイター奨励プログラムについて知っておく必要があります。