TPPとゲーム実況のこれから

アイドルマスターの図

より多くの人がゲーム実況面白い、そしてゲームのファンになってくれる、そういう環境づくりを目指したいところです(イラスト 橋本モチチ)

今、ゲーム業界は、ゲーム実況を取り締まろう、というよりは活用しよう、正式に許諾していこう、という流れにあります。例えば、クリエイター奨励プログラムに対応している企業は、任天堂だけではありません。バンダイナムコゲームスは「パックマン」や「ゼビウス」など、1980年代に発売されたタイトルを中心に17タイトルをクリエイター奨励プログラムに対応させています。また、PS4のゲームは、本体に内蔵されている「シェア機能」によって、正式な許諾の元にゲーム実況を動画投稿サイトにUPすることができます。

ちょっと話がそれるんですが、著作権に関しては、今後TPPの影響も懸念されます。これまで、著作権侵害については親告罪ということで、権利者が訴えなければ問題になりませんでした。ゲーム実況もそのほとんどはメーカーがユーザーのファン活動ということで黙認し、発展してきました。しかし「環太平洋戦略的経済連携協定」、通称TPPが大筋合意されたことにより、ここに含まれる著作権の非親告罪化の影響が、ゲーム実況にも及ぶ可能性がでてきました。

著作権侵害が非親告罪化されると、理屈上は権利者の訴え無しに警察が著作権を侵害しているとする行為を取り締まることができるようになります。現状、海賊版など、権利者の商業的利益に影響が大きい場合に限って取り締まるなどの方向性が検討されていますが、二次創作の分野が委縮する懸念はぬぐい切れていません。この点からみても、正式にゲーム実況を許諾していく流れは加速していくんじゃないかと思います。メーカーが許諾してしまえば、この点についての問題は無くなるのです。

クリエイター奨励プログラムが投稿動画にどういった影響を与えるか、というのはニコニコ動画が考える問題ですが、ゲーム業界は、どうしたってゲーム実況で盛り上がってゲームが売れれば嬉しいですから、スーパーマリオメーカー問題があったので正式な許諾は控えよう、とはならないでしょう。もし、ゲーム業界側がこの問題の解決に何か寄与できるとすれば、じゃあ、もっと色んなメーカーが許諾をして、みんなが色んなタイトルで正式な許諾の元にゲーム実況できるようにしょう、というのが最も建設的かもしれません。それは、TPPによる著作権の非親告罪化の流れからも、より良い選択のように思います。

大事なことは、面白いことです。最終的に、面白いことが起こりそうな方に進むというのが、みんなが同じ方向を向ける落着点ではないかと思います。ゲーム業界はゲーム業界の分野で、スーパーマリオメーカー問題を経て、もっとゲーム実況が面白くなるように、ひいてはゲームが面白くなるように、その環境づくりが進んでいけば良いと思います。

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