ないものは作るしかない!

THE CREAMundefinedブラック

ブラックの”THE CREAM”を画用紙に刷り込んでみました。青味・赤味の双方を感じさせる、これまでの靴クリームと黒とはひと味異なる高貴な印象の色合いです。画用紙の板目が浮き出る位の透明感! これこそ顔料を用いていない証拠です。

連日数多くの革靴のお手入れにいそしむ長谷川氏をはじめBrift Hのスタッフは、当然と言うべきか市販のシューケア用品に関しても一家言持つ方々ばかり。そんな彼らから見るとこれまで出ていていた乳化性靴クリームは、どれも優れた点と劣る点とが混在していて、「これがベスト・オブ・ベスト!」と言い切れるものが無かったそうです。「油分はしっかり入るけど、こってりし過ぎて仕上げに少しコツがいる……」とか、「革馴染みは抜群に好いのだけど水ジミが起こり易く、しかも上に油性ワックスが乗り難くて鏡面磨きし難い……」とか、或いは「成分に必要以上に顔料が多く入っていて、コバなどその色を付けたくない箇所に付くと処置が面倒……」などなど。

THE CREAMundefinedミディアムブラウン

こちらはミディアムブラウンの”THE CREAM”を画用紙に刷り込んだものです。ブラックと同様に、色の複雑さと抜けの良さとが両立しています。このニュアンスなら、何回か使って行くうちにその靴が「自分の色」になること確実!

これらのイイとこ取りの乳化性靴クリームができないものか? と約3年の試行錯誤を重ね、遂に完成したのがこの”THE CREAM”です。中身はさておき、まず注目したいのはネーミング。”SHOE CREAM”ではない、つまり靴だけでなく革製品全般に使うのを意図した製品と言うことです。「いつもテーブルの上に置いておいて、レザーバッグや革で覆われたソファーなども含めて、あれっ?と思った時にすぐに使っていただきたい」との長谷川氏の思いが、その名からストレートに伝わって来ます。

そう、家のテーブルでいつ見ても違和感を与えないよう、容器やラベルにも配慮がしっかりなされています。例えばイエローゴールドとダークブラウンの配色の瓶は、ストリートシューシャイナーから今日の地位まで登り詰めた長谷川氏ならではの現代的なラグジュアリー観そのものですが、高級化粧品みたいで決して悪目立ちはしないのがまた心憎い訳です。もちろんこの瓶の色は、中身の成分が劣化し難くすることまで考え抜いた選択ですよ。更にはラベルのフォントにもこの10年で一気に浸透した某スマートフォンでお馴染みのものを採用。それと同様に「豊かに・でも身近に」のメッセージが伝わって来るではありませんか!

成分的にも今日の時流を踏まえ香料は添加せず、スクワラン・シアバター・ホホバオイル・ラノリン・カルナバ蝋そして蜜蝋など、化粧品と全く同一レベルに精製されたほぼ自然由来の約30種類の原料を配合したとのこと。それもそのはず、この商品は靴クリームのメーカーではなく、Brift Hのお客様が社長を務める化粧品メーカーが製造に携わっているからです。長谷川氏も試作品を自分の顔に塗って無害であることを確認した上で、発売にゴーサインを出していますので安全性は折り紙つきです。そして色付きのものは、革質を活かしつつ透明感のある仕上がりとする目的で、顔料を一切使わず色出しは染料のみ。実はこれ、乳化性の靴クリームでは非常に稀なケースなのです。


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