ピアノ/ピアノ初級編(基礎を固めよう)

ピアノでクレッシェンドとデクレッシェンドを上手に弾くコツ

ピアノには音量を徐々に強くしていくことを意味するクレッシェンド(crescendo)、そして弱くしていくデクレッシェンド(decrescendo)。効果的に音量を変化させるためには、気をつけるべきポイントがいくつかあります。さて、そのポイントとは?

北條 聡子

執筆者:北條 聡子

ピアノガイド

ピアノで音量の変化を表現するクレッシェンドとデクレッシェンド

 ピアノでクレッシェンドとデクレッシェンドを弾くコツ

 ピアノでクレッシェンドとデクレッシェンドを弾くコツ

音量をだんだん強くしたり弱くしたりすることを意味する「クレッシェンド」と「デクレッシェンド」。テンポのように、メトロノームの数値で違いを確認することができない音量の変化は、よく聞きながらしっかり意識して弾くことが大切!感覚に任せて「だんだん強くしている”つもり”」程度では、効果的に音量の変化を表現することはできません。

上手にクレッシェンド、デクレッシェンドを表現するには、譜読みの段階から音量の変化に注意を払う習慣をつけたいものです。
 
<目次>
 

どのぐらい音量を変化させるか確認する

譜面にクレッシェンドやデクレッシェンドがでてきたら、まずどの強さからどのぐらい音量を変化させるのかチェックします。

そして次に、音量を変化させる前と後の箇所、つまりスタート地点と終点の強さを実際に弾いて比べてみます。そうすることで、音量の差をはっきりイメージすることができ、クレッシェンドやデクレッシェンドの精度が高まります。
デクレッシェンドの譜例

譜読みの段階で、どのぐらい音量の変化をするのか確認しておく

 

音量を変化させる際に注意すべきポイント

■表記のある箇所ですぐに音量を変えない

クレッシェンドやデクレッシェンドの表記を見ると、すぐにその箇所から音量を変えてしまいがちですが、クレッシェンドとデクレッシェンドの意味は「だんだん強くする、弱くする」です。 したがって、表記のある箇所ではまだ音量の変化は始まっていません。表記を見て反射的にすぐ音量を変えてしまわないように気をつけましょう。

■テンポを変化させない

クレッシェンドで音をだんだん強くしていくと、勢いがついてテンポもつられて速くなり、デクレッシェンドで弱くしていくと、そっと弾こうとして指の動きが慎重になりテンポも遅くなってしまいがち。でも、クレッシェンドやデクレッシェンドにテンポを変化させる意味合いは含まれません。音量と共にテンポも変化しないように気をつけましょう。特に、クレッシェンドで音が高い方へ向かって行く場合や、デクレッシェンドで音が下がって行く場合はその傾向があらわれやすいので注意が必要です。

音色を変化させない

クレッシェンドをする際に、強くしていこうとすると体に力が入りだんだん怒ったようなかたい音色になり、逆にデクレッシェンドで弱くしていくと、次第にタッチが浅くなり音が抜けたり、弱々しく頼りない音色になってしまいがちです。

曲の雰囲気を変える目的でクレッシェンドやデクレッシェンドが使われる場合もありますが、音量の変化は必ずしも音色の変化をともなうわけではありません。あらかじめ楽譜をよく見て判断し、その場にあった弾き方を心がけましょう。

■音量の変化は両手で表現する

音量を変化させていくときに、片手にばかり気がいってしまい、もう片方の音量はまったく変わっていないということがよくあります。クレッシェンドやデクレッシェンドが大譜表の真ん中(右手と左手の譜の中間)に記されている場合は、両手合わせた響きで音量を変化させます。

片手ずつ弾いてみて、それぞれがしっかりクレッシェンド、デクレッシェンドして聞こえるように練習してから合わせると、音量の変化がグッと説得力を持って表現されます。
クレッシェンドの画像

クレッシェエンド、デクレッシェンドをしっかりコントロールして表現力に磨きをかけよう!

表現力豊かな演奏をするためには、音量の強弱を自由自在にコントロールするテクニックを身に着けることが必須! クレッシェンドやデクレッシェンドに磨きをかけて、メリハリあるワンランクアップの演奏を目指しましょう。

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