「次亜塩素酸ナトリウム」について
みんな知ってるこれの主成分こそ「次亜塩素酸ナトリウム」
「次亜塩素酸ナトリウム」はそのままでも少しずつ分解してしまうのですが、特に光(紫外線や熱)に当たると分解が促進されてしまい、酸素を放って塩化ナトリウム水溶液に変化してしまいます。また高濃度の状態ほど分解されやすく、低濃度では分解され難くなるという性質もあります。
比較的、アルカリ性の状態では安定しているのですが、殺菌の効果等は弱めになります。酸性の状態では、急激に分解してしまうなど不安定な様相を示し、塩素ガスを発生してしまい危険なのですが、強い作用を示します(pH5~7)。そのため、市販される際商品としては「安定させるために」「比較的安全な状態にするために」調整されて強アルカリ性になっているという事情があります。
市販品の「次亜塩素酸ナトリウム」は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を希釈して、有効塩素濃度を「5%」「6%」「10%」「12%」に調整したものが主になります。
「次亜塩素酸ナトリウム」の有効性と毒性(注意点)
「次亜塩素酸ナトリウム」は、強い殺菌作用がその有効性の柱と言えます。具体的には「MRSAなどのグラム陽性菌」「大腸菌や緑膿菌などのグラム陰性菌」のほか、「真菌(カビ)」「ウイルス(B型肝炎ウイルス、HIV、ノロウイルスなど)」などに至るまで広く効果を示し、とても便が良いのです。また残留性も比較的低いのもメリットのひとつです。
「次亜塩素酸ナトリウム」の水溶液中には、「遊離残留塩素」または「有効塩素」と呼ばれる「次亜塩素酸」と「次亜塩素酸イオン」が存在しています。水溶液中のpHによって、この二つの比が変化するのですが、これに伴って殺菌・消毒の効果も変化します。(先述したように、酸性に傾いているほどに殺菌・消毒効果は高まります)。
この、「有効塩素」のもつ強い酸化力が、細菌やウイルスなどの細胞膜や細胞壁を損傷し、酵素活性を失わせ、内部の構成タンパク質や核酸を「酸化分解」して変性し機能を阻害するのが、大まかな殺菌メカニズムです。実際のところ、「次亜塩素酸ナトリウム」が、というより、その水溶液の中から遊離した「次亜塩素酸」が奏功しているというわけです。