フランス語、フランス、フランス人 ?
音のややこしさも間違いの原因
日本語は同じでも使い分けが必要な表現
日本語では同じ単語なのに、フランス語では使い分けが必要であるために間違いが目立つ表現もあります。代表的な例では「映画」。例えば「私は映画が好きです。」という場合には、J'aime le cinéma. (ジェム ル シネマ)と芸術ジャンルを表すcinémaという単語を用いますが、「リュック・ベッソンの映画が好き」などという場合には、J'aime les films de Luc Besson. (ジェム レ フィルム ドゥ リュック ベッソン)と、一本一本の映画作品を示すfilm(フィルム)という単語を用います。その他にも、料理の総称であるcuisine(キュイズィーヌ)と具体的な一品一品の料理を示すplat(プラ)などの使い分けも難しいようですので、一度辞書の用法を確認しておきましょう。「知ってる」や「できる」にも気をつけよう!
フランス語では「知っている」という意味を表すために、主としてconnaître(コネートル)とsavoir(サヴワール)という2つの動詞を使います。この2つの使い分けは、言葉のニュアンスではなく、大まかに言うと名詞が後にくるときはconnaître、文章や動詞の原形(不定法)が後に続くときはsavoirを使用すると覚えておかなければなりません。さらに、Je sais nager.(ジュ セ ナジェ)のように、savoirの後ろに動詞の原形(不定法)が続く場合は、通常「~できる」の意味になります。フランス語には英語のcanにあたるpouvoir(プヴォワール)という動詞がありますが、Je ne peux pas nager.(ジュ ヌ プ パ ナジェ)とpouvoirを使った場合には、体調が悪かったり、忘れ物があったりと「なんらかの要因があって泳ぐことができない」という意味になります。一方、Je ne sais pas nager.(ジュヌ セ パ ナジェ)とsavoirを用いた場合には「泳げない(泳ぎ方を知らない)」という意味で、同じ「泳げない」という日本語でもニュアンスが異なります。
今回は特に、使用頻度も間違いの頻度も高いものをピックアップしました。一度に直すのは難しいかもしれませんが、少しずつ間違いを減らしていきましょう!