食事から摂取するには安全性が知られた成分

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これからおいしくなってくるカキにもタウリンが豊富。

このようにさまざまな分野で期待されるタウリンですが、前ページであげられた機能性について明らかなものは「うっ血性心不全」や「肝炎」などの一部で、他についてはまだまだ動物実験レベルの研究であるなど、今後のさらなる研究成果が待たれている段階です。人がどの程度摂取すればどのような効果があるかについては、まだまだ明らかではありません。

また栄養ドリンクのように含有量の多い製品も市販されていますが、過剰摂取で副作用などはないのでしょうか。医薬部外品の栄養ドリンクや医薬品は、化学合成されたタウリンで安全性が認められたものです。ただし医薬品に使用されるタウリン酸には、吐き気や下痢などの副作用の報告もあります。

食品から摂取するタウリンは、どうでしょう。適切に食品として摂取する場合は安全性が示されています(健康食品の安全性・有効性情報)。また食品安全委員会の食品健康影響評価においても次のように評価されています。

日本では、動物用医薬品やヒト用医薬品、食品添加物等、様々な分野での使用実績においても、これまでに安全性に関する特段の問題は認められていないとともに、タウリンを含む長年の食習慣における弊害も認められない。

小児でも適切に用いれば安全性が示唆され、妊娠中・授乳中に食品に含まれている量のタウリンを経口摂取することはおそらく安全とされていますが、サプリメントなどの濃縮物として摂取した場合の安全については十分なデータがないため、使用を避けた方がよいでしょう。

また、他のサプリメントとの相互作用については十分なデータありませんし、低血圧、低血糖の人、抗血小板薬、抗凝血薬、脂質低下薬を服用している人がタウリンを摂取することは危険性が示されています(健康食品の安全性・有効性情報」より。

タウリンは、人体で合成されますが少ないので、食べ物からも摂取する必要があると考えられています。またタウリンは、余剰となった分は速やかに排泄されます(そういう意味で食品として食べる分には過剰症などになりにくい)。

その一方で、胎児期から乳児期は体内でタウリンを合成する酵素がないので食品などでから摂取する必要がありますが、生合成できる成人ではどれだけの量が必要なのかを特定するのは難しいと考えられています。食事としてなら過剰にとりすぎる心配はありませんが、むやみに特定の成分を濃縮したものを摂取すればよいというものではないのかもしれません。

タウリンは、様々な動植物組織に含まれていますが、牛や豚などの肉類や内臓類、特に魚介類やイカ、タコなどに多く含まれています。食品中のタウリン含有量(100g中)を見ると

  • スルメイカ    364
  • マダコ      538
  • カキ     1178
  • ホタテガイ  669
  • カツオ(血合い) 832
  • 豚(肩ロース)      51
  • 牛(肩ロース)      49
    (mg/100g wet weigt)

ふだん魚介類やイカ、タコなどをあまり食べていないという方も、ぜひ取り入れてバランスのよい食事になるように意識してみてください。


■参考/
・タウリンの多彩な生理作用と動態(化学と生物Vol.45(2007)No.4P273-281)
・ゲノムプラスの栄養学(武庫川女子大学出版)
・タウリン及び飼料添加物として使用されるタウリンの食品健康影響評価について(厚生労働省)
・タウリンの試験成績等の概要(農林水産省)
・タウリン(「健康食品」の安全性・有効性情報)
・水産加工食品中のタウリン含量とその栄養価値
その他
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