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ダイバーシティが社会を変える

ここ1、2年、凄まじい勢いで働き方改革が進行しています。8月下旬、女性活躍推進法が可決され、いよいよ来年4月より施行されます。この法律により、更にダイバーシティが加速することでしょう。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド

安倍政権は本気でダイバーシティの実現を考えている

日本の女性管理職比率は現在11%、5年後の2020年、30%という大目標を政府は掲げています。

日本の女性管理職比率は現在11%、5年後の2020年、30%という大目標を政府は掲げています。

9月初旬、一般社団法人ジャパンダイバーシティネットワーク(JDN)主催のシンポジウムに参加しました。参加者はざっと1000人以上でしょうか、大きな講演会場が満員になるほど盛況でした。男女比は2~3:7~8程度でした。

中央官庁と民間の方々を分けて、パネルディスカッションがありました。ほぼすべての中央官庁の審議官以上の要職にあたる方がパネリストとして一斉に揃い、安倍政権のダイバーシティへの取り組みの本気度を感じた次第です。

"先ず隗より始めよ!"ということで、役所も女子管理職の登用や新卒採用比率等の目標値を設定し、意識的に要職に就けるなど、既に取り組まれているとのことでした。

ダイバーシティへ拍車をかける女性活躍推進法

女性活躍推進法(10年間の時限立法)により、これからは301名以上の大企業は女性の活用度、例えば、女性管理職比率、新卒採用比率、勤続年数男女差、労働時間の状況などの現状と数値目標を掲げ、目標達成までの行動計画までを提出・開示することが義務づけられるます。

情報が開示され、他社の取り組み状況も把握できるので、取り組まざるを得ない状況になることは必至です。

今のような成熟した生活者社会において、女性をうまく活用している会社ほど業績が良いと言われています。女性は男性よりも生活者目線で考え、そこから課題点を見つけ、新商品を企画開発するなど、虫の眼に長けているものです。逆に、男性は中長期的な視点での戦略的思考や全体を俯瞰的に捉え、全体最適を図るという鳥の眼に長けています。

それぞれの持ち味を活かし、組織に貢献することができれば、組織は活性化していきます。ダイバーシティは日本では特に女性の活用を意味することが多いですが、多様性を認め合うことなので、外国人、高齢者、障害者、このところ、よく新聞等で目にするLGBT(性的少数者)も含まれます。

日本は地理的に島国であり、同質的な社会を形成しています。そういう背景から、異質なものに対するアレルギーを持っている文化と言えます。学童期よりマイノリティー(少数派)に対する苛めや集団に立脚した価値観・考え方が実に多いものです。まずは一人ひとり異質な存在であるという個に立脚した考え方に意識を変えていくことがグローバル社会では求められるでしょう。

日本におけるダイバーシティの実現はイノベーションに繋がるのです!

日本におけるダイバーシティの実現はイノベーションに繋がるのです!

シンポジウムの話に戻りますが、パネルディスカッション後、研究会ワークショップに参加しました。JDN代表で女性活躍のシンボリックな存在である日本IBMでトップマネジメントをされていた内永ゆか子さんがリーダーである「女性の意識」という研究会に参加しました。


ダイバーシティはイノベーションを生み出していく

10名のグループ編成で、女性が8名、男性2名でした。このような状況はあまり記憶にありません。ディスカッションテーマとして、「女性のキャリア意識醸成を阻む真の要因は?」でしたが、ポストイットに各メンバーが思いつくままに記述し、カテゴリー毎に纏めるという、所謂、KJ法で整理しました。

ディスカッションの中で印象的だったことはそもそも女性のDNA的な部分、例えば、“嫌われたくない”、“協調的にやっていきたい”という共通の意識、“ホーム”である家ではリーダーシップを存分に発揮しますが、会社は男性社会、つまり、“アウェイ”な存在であり、主体的にリーダーシップの場を取るに相応しくないという見解でした。女性の登用比率は高くなればなるほど、アウェイ感が薄くなり、ホームグラウンドということになるのでしょう。この捉え方に現状打開のヒントがありそうな気がします。

セッション終了後に、ファシリテータの方は女性ばかりのワークショップでは和気藹々ですがあまり議論に発展性がない、男性が少々入ることで議論が活性化するとのコメントでした。通常のパターンと逆を経験したのですが、確かに当事者として刺激を与え、なかなか良い化学反応をしている感がありました。

つまり、ダイバーシティの行きつく先にはシナジー効果やイノベーションが期待できるのです。意識して、通常とは逆の女性中心のグループ編成をするなどして、実際に体感することでダイバーシティの効用が見えてくるのではないかと思います。

最後に、研究会の総括として、リーダーの内永さんが管理職候補の若手リーダーに対し、今が最大のチャンスであり、IOT、AI、ロボット化する社会において、10年後の働く未来は何ら保障できない社会となっていることを掲げ、臆せずに、兎に角、今、やってみることを力説されていました。

諸々のアンケートを見ると、管理職になる前は抵抗感があった人が過半数ですが、管理職になった後はやってよかったと思うが9割弱になるとのこと。万一、うまくいかなかったら、“選んだ上司に任命責任がある”くらい割り切って考えなさいというスパイシーなコメントで幕を閉じました。

ガイドにとっても、色々と考えるヒントとなった有益なシンポジウムでした。

ご参考サイト)
NPO法人 J-Win(ジャパン・ウィメンズ・イノベイティブ・ネットワーク)
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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