熱帯魚/熱帯魚入門・用語辞典

水槽のphが上がる原因…下がらない時はどうしたら良い?

特にアルカリ性に傾ける物質を、水槽内に入れていないのだがpH降下剤を使用しても酸性にならない。水槽のphが下がらないのはどうしたら良いのかを解説いたします。熱帯魚を飼育する際は是非参考にしてくださいね。

長谷川 秀樹

執筆者:長谷川 秀樹

熱帯魚ガイド

水槽のphが上がる原因…下がらない時はどうしたら良いのか

水槽のphが下がらないのはどうしたら良い?

水槽のphが下がらないのはどうしたら良い?

水槽を立ち上げて一月半になります。ニッソーの60センチ水槽のセットを購入し、水草(アマゾンソード等)、ネオンテトラ15匹、ラミノーズテトラ15匹、コリドラスパンダ3匹、白コリ5匹、オトシン5匹です。

立ち上げ初期から、pH7.5ぐらいで調整を行っても、一度は7.0前後まで下がりますが、また上昇し、まず7.0を下がることがありません。水替えは一週間に約1/3、水道水はpH7.2ぐらいです、特にアルカリにするようなものは入れておりません。砂は大磯です。夏場で水温の上昇が激しいですが、何とか27~30℃ぐらいを保っています。照明は昼間に点けると温度が上昇しそうなので、夕方から夜にかけて6時間ぐらい。

これまでに、ネオンテトラ3匹、コリドラスパンダ全滅、(つつかれたようなあとがあり、全体に白っぽくなっていました)オトシン1匹が亡くなりました。他のネオンテトラは体色もよく、よく食べます。ラミノーズテトラも基本的に頭部が赤く調子がいいようです、(たまに色が薄くなることがある)このまま経過を見ていたほうがいいのでしょうか。それとも徐々に弱酸性にしたほうがいいのでしょうか。

熱帯魚屋さんに聞いても、酸性が強くなりすぎることはよく聞くけど、アルカリが下がらないケースはあまり聞かない、ペーハー調整液での調整は大幅にペーハーが下がることがあるので気をつけて。ぐらいの回答しか得られません。
 

結論から申しますと、pH調整の必要はありません。魚には水質への順応性があるので、多少アルカリ度があっても問題ありません。かえってpH降下剤による水質の急変の方が問題です。特殊な水質を好む魚(ワイルド物のベタやディスカスなど)は、この限りではありませんが、今現在飼われている魚でしたらpH7.5程でしたら許容範囲の内です。魚が死んでしまった原因は、セット初期に魚の入れすぎによるアンモニアもしくは亜硝酸による水質悪化が原因だと思われます。
 

なぜpHが上昇するの?

では、なぜpHが上昇するのか? pH降下剤を使用しても一時的な効果しかないのか?

原因は砂利です。大磯砂とは、本来大磯海岸で採取される海砂利ですが現在は採集禁止の為、フィリピンなどから輸入された似たような砂利が大磯砂として販売されています。これらに含まれる貝殻、サンゴ片などがPHを上昇させるアルカリ基となっています。(貝殻、サンゴの主成分は、炭酸カルシウム)

また、pH降下剤の効果が一時的でしかないのは、炭酸塩硬度(KH)が高いためでしょう。少し難しい話になってしまうのですが、水素イオン濃度(pH)は二酸化炭素(CO2)と炭酸塩硬度(KH)と相関関係があります。KHが高い状況ではpHが下がりづらい、またCO2の濃度が高いとpHは低くなる、っといった関係があります。

取り合えず水草を主体とするのでなければ、今の状況で問題はないと思います。pH7以上ですと若干藻類が繁茂しやすいですが、あとは特に問題ないでしょう。砂利に含まれるアルカリ基も1~2年でなくります。場合によっては、pH降下の抑制になって良いかもしれません。

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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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