子育て/2~6歳の発育・発達

子供のお昼寝はなぜ必要?昼寝しないのは悪いことか

子供のお昼寝が必要なのはなぜでしょうか?実際、幼児期にお昼寝をするかしないか、どれぐらいするかには個人差が大きく、お昼寝を含めた生活リズムをどう取っていくかが悩みの種になることも。お昼寝の必要性や、上手に生活リズムを取るコツをお伝えます。

執筆者:千葉 美奈子

子供のお昼寝は大切!そもそも子供の睡眠時間ってどれぐらい必要?

子供のお昼寝はなぜ大切といわれているのでしょうか

お昼寝には色々な役割があります

生まれた直後は1日の大半を眠っている赤ちゃんも、次第に起きている時間が増えます。生後5~6ヵ月になると、日中は午前午後に各1回、1~2時間お昼寝をするというパターンができあがってきます。
1歳代になると、多くの子が1歳半ぐらいまでに1人歩きをするようになり、運動量も格段に増えます。一方で体力もついてくるので、午前午後1回ずつだったお昼寝が、午後の1回のみになってくる子も多いものです。

そして、1歳前後~1歳半ぐらいまでの間にほとんどの子が1人歩きをするようになり、運動量もグンと増えると同時に、体力もついてきます。午前午後に1回ずつお昼寝をしていた子の中にも、午後1回のみになってくる場合も多いでしょう。

具体的に1日の睡眠時間を見てみると、新生児は15~17時間、生後7ヵ月前後で11~14時間、3歳で11~12時間、学童期で8~10時間、思春期で7~8時間と減っていきます。夜の睡眠で足りない部分を、昼寝で補っていることになります。

しかし、睡眠のパターンはその子によって様々です。1~2歳で保育園に通っていない場合、午前中に1度眠くなってお昼寝をし、午後は寝ない代わりに夜の就寝は早い場合も。2歳代になっても、午前午後に少しずつお昼寝をする子もいます。1回に深く集中して眠る子、眠りが浅い子など、眠りのパターンも色々な個性があります。

<目次>  

「寝る子は育つ」……お昼寝はなぜ必要なの?

「睡眠」の意義は、疲れを取り除くためだけではありません。深夜0時以前に成長ホルモンが多く分泌されたり、「夢」によって記憶の定着がされたり、睡眠中に消化吸収が活発に行われることなどが、眠りについての研究で明らかになっています。それを考えると、夜の睡眠に大きく影響を与えない形でのお昼寝が好ましい形といえます。

しかし実際には、1日のいつに眠くなるか、どれぐらい眠るかは、本人だけの問題ではなく、家庭の環境が大きく影響します。家族全体が早起きだと子どもも早起きしたり、家族や上の子たちのリズムに影響を受けて、就寝時間が遅くなったりする場合も。

また、保育園に通っている場合は、長い保育時間を元気に過ごすことも大きな目的として、お昼寝が日課となっています。1~2歳代の頃は、給食後、多い子では2~3時間昼寝をする子もいますが、年齢が上がるとともに、みんなと一緒に横になりはするけれど、あまり眠らない子も出てきます。園によっては卒園前の数週間、小学校生活に向けてお昼寝の時間を取らない園もありますが、特に対応がない場合もあるでしょう。

保育園卒の子は、小学校入学前の春休み中から学童保育に通う子も多く、家庭でお昼寝の習慣を変えることは難しいものです。小学校入学後はお昼寝よりも、宿題や明日の準備などやるべきことを終えて、なるべく早く就寝させることが一層大切になってきます。

 

子供のお昼寝のための環境づくり

お昼寝のパターンは、子育てにも少なからずの影響が!

お昼寝のパターンは、子育てにも少なからずの影響が!

幼児期の子育ては体力勝負。未就園児の場合は、昼食後に1~2時間のお昼寝の習慣がつくと、親も少しホッとできる時間が生まれます。

特に幼児期前半は、大人がサポートしてあげないと、うまく眠りにつけないことも多いもの。2~3歳の子が午後になるとグズリがちになる場合は、眠くなったことによるものが多いので、お昼寝ですっきりさせてあげたいですね。夏場に汗をかいているときはシャワーを浴びてお着替えをすると、さっぱりして気持ちよく眠れます。お昼寝時も布団を用意して、部屋の照明は少し落とし気味にしてあげるなど、心がクールダウンする状況を作るのも効果があります。

幼稚園に入園する場合、入園~連休明けまでは午前保育の幼稚園が多く、入園直後の緊張もあって帰宅して昼食を食べた後にお昼寝をする子も多いと思います。午後までの保育にもいずれ自然に慣れていくので、お昼寝を無理に我慢させる必要はありません。

園生活が軌道に乗り、午後2~3時に帰ってくるようになったら、疲労度によって30分~1時間以内の集中的な昼寝を。夜の睡眠に響かないように、夕方以降に寝てしまうことはなるべく避けたいですね。

 

お昼寝の時間よりも、気をつけたい生活上のポイント

そして非常に大切なのは眠りの質。やはりお昼寝だけではなく1日の流れの中でのお昼寝の位置づけを考え、就寝前に心が高ぶったり目が疲れたりするようなことは避けましょう。

・夜9時には就寝し(理想)、朝7時前後には起床していますか。
・体を使った活動ができていますか。
・眠る前にテレビやDVD、スマートフォンなどの画面を見させていませんか。


お昼寝をほとんどしないタイプの子もいますし、いつもより少しお昼寝の時間帯が遅くなってしまうと、夜になかなか寝てくれなくて困るというお子さんもいます。お昼寝をほとんどしない子の場合には、無理にお昼寝をさせようとして親子ともにストレスを感じてしまうよりは、夕飯、入浴、就寝の時間をグイッと早めにし、早寝早起きのリズムに持っていきましょう。起きる時間が1時間も早まれば、お昼寝をしたくなる時間帯も出てくるものです。

たかがお昼寝、されどお昼寝。小さな子の眠りに振り回されるのが育児です。現実は、毎日規則正しいリズムで過ごさせるのは難しいものです。お昼寝の時間や回数をあまり気にしすぎないで。もっとシンプルに、「元気に体を動かして食事をしっかり摂ることができる」生活をイメージしてそこに近づくよう過ごしていれば、そのお子さんに合った睡眠リズムが育まれていくと思います。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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