気付かないうちに使っている、子どもへの「脅し」の言葉

「家に入れません」「お母さんは出ていきます」「オバケがくるよ」など脅しの言葉は、子どもを不安に陥れます

親の脅しの言葉は、子どもを不安に陥れ、やがては、子どもも自分の思い通りにならない時に、脅しの手法を使うことを覚えるでしょう

子どもが言うことを聞かないとき、最も手っ取り早く親の言う通りにできるのが「脅し」の言葉です。

「脅し」と聞くと、脅迫や恐喝、威嚇というイメージもあり、「自分の子育てには無関係」と思っている親も多いかもしれません。しかし、この「脅し」を使って子育てをされている場面は、結構よく見られます。
 
例えば、子どもが夕飯の時間になってもおもちゃを片付けない時、「早く片付けないと、全部捨てちゃうよ!」と言ったり、好き嫌いをして食事を残す子どもに「食べないのだったら、これから食事は作りません!」と言ったりすることはないでしょうか。なかなか寝ない子どもに「早く寝ないと、オバケがくるよ!」と言ったり、電車の中で騒いでいる子どもに「おとなしくしないと、おじさんに怒られるよ」というのも脅しでしょう。
 
これらは、幼い子どもに言うことを聞かせる際に即効性があります。中には、鬼やオバケに対し泣いて怖がり、驚くほど言うことをよく聞く子もいます。そのため子育てにおいて、つい「脅し」の言葉を使ってしつけをすることが多くなるのでしょう。
 
それでは、その時の子どもの心理を考えてみましょう。子どもの頭の中は「おもちゃを全部捨てられるのは、イヤだ」「ご飯作ってもらえなかったら、大変だ」と不安でいっぱいになり、そして、とにかく親の指示に従うでしょう。一見、親の言うことを直ぐに聞いているように思いますが、これには、子どもの成長に大きな落とし穴があるのです。
 

「脅し」の子育ての落とし穴

脅しの言葉に、子どもは最初、大泣きして、言うことをききますが、しつけは身についていません

「鬼がくる!」「もう、家には入れません!」などの「脅し」の言葉に、子どもは泣いて言うことを聞きますが、恐怖から逃れることのみを考え、しつけは身につかないでしょう

■その1、子どもにしつけが身につかない
子どもには、親の言う脅しの言葉のみが記憶に残ります。「片付けないと、おもちゃを捨てられる、だから片付けよう」「食べないと、ご飯を作ってもらえない、だから食べよう」「おじさんに怒られるから、静かにしよう」など――怖いから、困るからと、とりあえずは言うことを聞きます。そこには、「整理整頓の力を付けていくこと」や「栄養のバランスを考えて食事を摂る」こと、「周囲の人に迷惑をかけてはいけない」などの考えには及びません。

なぜ、そうする必要があるのかが分からないため、親が見ていない所では、いつも通りの行動になっており、しつけは身に付いていないのです。

■その2、子どもも意志が通らない時、同じ方法を使う
子どもは自分の思い通りにならない時、「そのゲームを貸してくれないと、もう口きかない」「言うこと聞かないと、仲間外れにするぞ」などと言って、相手をコントロールしようとすることが懸念されます。成長すると親に対しても、「お小遣いくれないと、勉強しない」など言うようになるかもしれません。

このように子どもも友達や親に対して、自分の意思が通らない時には、同じように「脅し」の言葉を使うようになるでしょう。
「好き嫌いするんだったら、もう食事を作らないわよ!」と言っても、また作ってくれることを子どもは分かってきます

「残すと、もう食べさせません!」と親が脅しても、また食事の時間になれば食べさせてくれることに、子どもは気付いてきます

■その3、効果の持続性がなく、親の脅しがエスカレートする
「食べないなら、もうご飯は作らないよ」と言っても、また食事の時間になれば、親は作るでしょう。また「オバケが来る」と言っても、オバケなんて来ない、ということが分かってきます。そうすると、子どもはだんだん親の「脅し」に慣れていき、効果が薄れていきます。

こうやって子どもが脅しに慣れていくと、親は言うことを聞かせようと、もっと強い刺激の脅しを与えようとするでしょう。時には、本当におもちゃを捨てたり、食事を抜いたりすることがあるかもしれません。脅しがどんどんエスカレートし、気付かないうちに、虐待に繋がることも懸念されます。
 

「脅し」を使わないしつけ法

では、「脅し」を使わず、子どもをしつけていくには、どのようにすればよいのでしょうか。

■ポイント1、理由を説明する
なぜそのようにする必要があるのか、子どもに理由を説明しましょう。

おもちゃをきちんと片付けることによって、次に使う時に取り出しやすいこと、部屋がスッキリしていれば気持ちいいこと、散らかっているおもちゃにつまづき転んでしまうことなどを、説明しましょう。また、偏食をすると影響のバランスが悪くなり、病気をしたり、元気に大きくなれないことなど、子どもに分かりやすく説明することを心がけてください。

■ポイント2、条件付きの言い方をせずシンプルに言う
「片付けないのだったら」「食事を残すのだったら」などの条件を付きの言い方は止めましょう。「片付けない自分」「食事を残す自分」は親から愛されない、または価値がないと感じてしまうことも懸念されます。

シンプルに「お片付けしましょう」「好き嫌いしないで食べましょう」「寝る時間よ」と、まずは行動のみを伝えるとよいでしょう。

■ポイント3、一旦は子どもの気持ちを受けとめる
親子一緒にルール作りをしておき、脅しの言葉を使うしつけはやめましょう

親子で約束事を決めておくなどし、脅しの言葉を使わず、子育てをしたいですね

子どもはもっとおもちゃ遊んでいたいのです。嫌いな物は食べたくないのです。その気持ちを一旦は受けとめてあげましょう。「遊ぶの楽しいね」「お野菜、食べたくないのね」と、その子どもの気持ちを受けとめてあげてください。その後になぜおもちゃを片付けないといけないかの理由を説明するとよいでしょう。
 
また、最初にルールを作っておくのもよいですね。例えば食事の時間になれば、おもちゃは片づけることや、帰宅や就寝の時間を子どもと相談しながら決めていきましょう。


親はしつけをしているつもりでも、知らず知らずに脅しの言葉を使っている場合があるかもしれません。日常生活の中で少し脅しの言葉を使ったからと言って、その子育てが全て否定されるわけではありませんが、積み重なれば、子どもの成長に影響を及ぼすことになるでしょう。

今一度、子育てを振り返り、脅しの言葉を使わないように心がけたいですね。

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。