正統派クラシックシェフの現代風フレンチを
代々木上原と言えば煌びやかなネオンのない、静かで品のよい街というイメージか。20年以上続くビストロやバー、和食店などに加え新しいタイプのセンスのいいショップやレストランも街を彩る。世間はお盆休みの中、一軒のレストランで食事をした。以前、同じ代々木上原の別の場所でコムシェヴーという名でフランス料理店を営み、その後銀座でカレー店のプロデュースをされていた古賀義英氏のレストランだ。自身の名を刻んだところに、ここに生涯落ち着くぞ、という穏やかな気概を感じることができるのは、これまでの歩みを緩やかに見てきたからか。
坂の上にある白い壁が目印だ。
シェフの立ち位置の前に一人で落ち着いたせいか、シェフがいろいろと話しかけて下さる。シェ・イノ時代の話、仲のいい料理人の話や素材の話から景気の話まで続き、ワインの酔いも回りなかなか心地良い時間が過ぎていく。
3000円のランチコースは十分に魅力的だ。正確に和えられたシーフードと柑橘系のサラダは夏を優しく感じさせるもの。爽やかさと歯ごたえある食感がソーヴィニオンブランにはまるのなんの。つい、おかわり!昼のワインがなんと心地よいか。
爽やかなヴィネグレットとワインが見事にマリアージュ
メインはポークソテー。マスタードがやや苦手なので、抜いてもらう。重みあるクラシックなソースは赤ワインを求めてくる。ボルドーのワインは期待通りの働きでもう一つのソースとなり気持ちと身体を酔わせる。
煮詰められた濃厚なクラシカルソースにシェフのこだわりが見える
13時位になると常連のゲストが一人でやってきて世間話に花が咲く。一人で出掛けても仲間内でもゆるゆるとした居心地で楽しめるレストランであることは間違いない。今度は夜にしっかりといただくことにしよう。
ラ・ファソン 古賀(代々木上原)
東京都渋谷区上原1-32-5 ロイヤルテラス1F
カウンター7席 テーブル16席
小田急・東京メトロ代々木上原駅 南口より徒歩2分
Tel 03-5452-8033 / Fax 03-5452-8030
営業時間:
ランチ 11:30~14:30(LO.13:30)
ディナー 18:00~23:00(LO.22:00)
定休日:水曜日