マンション物件選びのポイント/マンションの間取り

風の抜け方が秀逸なマンションの間取りの基本(2ページ目)

窓の数が少なく対面に窓がとりにくいマンションでは自然通風をなかなか得にくかったのですが、最近では家の中を風が通り抜けやすくするくふうのある間取りも増えてきました。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド


くふう2:廊下に設けられた小窓

この間取りのもう一つのくふうとして「横入(よこいり)玄関と廊下の小窓」があります。外廊下型の田の字プランでは、一般的に玄関は室内廊下の突き当りに設けられ、扉を開けると外廊下に直接出られる形になっています。この位置にある玄関扉を開け放しにすると住戸内を風が通り抜けていくのですが、家の中が丸見えになることと、防火的な観点から基本的に玄関扉の開け放しはNGとなっています。

【図2】横入玄関と廊下にある小窓

【図2】【図2】横入玄関と廊下にある小窓(クリックで拡大)


今回取り上げた横入玄関の間取りは、外廊下から直接入るのではなくアルコーブを経て横向きに入ります(【図2】A )。外廊下からワンクッション置いたこの玄関の配置は、玄関扉を開けても外廊下から家の中が見えにくいため、よりプライバシー性が高くなります。

そして横入玄関にしたため、室内廊下の突き当りに小窓を設けることができます(【図2】B )。この窓はリビング・ダイニングのワイドサッシと対面にあるため、両方を開放すると、とてもよい風の通り道になります。

くふう3:通風を考慮したドアの採用

リビング・ダイニングから外廊下まで風を通すためには、リビング・ダイニングと廊下の間にある戸(【図2】C )を常に開け放しにする必要がありますが、扉を閉めたままでも風を通すことができる可動ルーバー付きドアを採用すれば、ドアを閉めたままでも風が通ります。また、上部に欄間のあるドアを採用してもいいでしょう。このように、住戸内の通風を考慮した建具を採用しているマンションが増えています。

 

風が通る間取りになっているか

住戸の中に風を取り込む工夫があるとよい

住戸の中に風を取り込む工夫があるとよい

春先や秋、夏の朝晩には、住戸内を風が通り抜けていくと心地よい涼を得られます。これからマンションを購入しようと考えている方はぜひ、間取りに風の通り道があるかどうかチェックしてみてください。

別記事「マンションの間取り研究(3)風通しのよい間取り」では、プライバシー性を考慮して外廊下側の窓を開けやすく工夫した田の字プランの間取り例をご紹介しています。今回ご紹介した間取りとともに、参考にしていただければと思います。


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