ライトユーザーに広がったオンライン対戦

スプラトゥーンの図

これまでだったら、オンライン対戦なんてしなさそうな人でも、遊んでいるということかもしれません(イラスト 橋本モチチ)

先ほどの「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(平成26年度第4四半期(3月末))」をもう少し見てみると、移動系通信、つまりモバイル端末の回線契約数についてもグラフがあります。移動系通信の契約数も右肩上がりで伸びているんですが、その中でもLTEはここ数年大変な勢いで伸びて2015年には6,778万件にまで達しています。

1人1回線、あるいはそれ以上使う場合もあるモバイル端末と、家族で1回線を共有できる固定回線を単純比較はできませんが、単純に7,000万件近い契約数というのは、非常に大きい数字です。

つまりこれは、オンラインの利用形態が多様化している、ということなんですね。昔は固定回線とPCがなければインターネットなんてできませんでしたし、ゲームのオンライン対戦なんて一部のマニアのものでした。しかし、もう時代は随分変わってしまって、オンラインゲームはどんどん身近になり、そしてオンラインに接続する方法も固定回線だけとは限らなくなりました。そうした利用実態にあわせて、スマートフォンやモバイルWiFiルーターを経由してオンラインゲームをやる人も出てきた、ということかと思います。

特にスプラトゥーンは新しいゲーム性が注目を集め、これまでこういったオンライン対戦主体のシューティングゲームを遊ばなかった人たちも、かなり遊んでいることが予想されます。そしてそのこと自体は、歓迎するべき出来事だと思います。今まで遊んでなかった人が遊ばなければユーザーは増えませんし、ユーザーが増えなければゲームも増えません。

さて、スプラトゥーンの対戦における現状の方に目を向けてみると、毎回ラグが酷くてゲームにならない、というようなことはありません。確かにたまに説明したような、インクが塗れなくなったり、敵を倒したり倒されたりするのに時間差が生まれることはあります。しかし、それ程多くはありません。

また、ラグがあったとしても、その理由が必ずしも相手がスマートフォンやモバイルWiFiルーター接続してることが理由である、とは限りません。もし、何度も何度もそういう現象に見舞われるとしたら、まずは自分自身の通信環境の方を疑ってみるべきです。

おそらく現状に関して言えば、全体の運営にとってそれ程大きな問題ではないのです。しかし、それがこれからも大きな問題でないとは限りません。そして、これはスプラトゥーンだけの話ということでもありません。これからオンラインの利用形態がますます多様化し、そしてオンラインゲームも身近で気軽なものになっていくとしたら、みんなが快適に遊ぶにあたって、このことは大きな障害となる可能性もあります。

まずは、快適に遊べる通信環境について広く説明していくことがまずは大切でしょう。広いユーザーに分かりやすく伝えるには、「ping値」がどうこうと言った詳しい知識よりもざっくりとした判断基準を提示した方が良いかもしれません。

そしてそれは、購入時にチェックできる仕組みになっていればなお良いでしょう。買う人の全てが事前にしっかりと情報収集をするとは限らないのです。CMや友達の話を聞いて「欲しい!」と思う人もいるはずです。それこそ何も知らずにWii U本体とスプラトゥーン買ってしまって、テザリングを使って対戦しようとしたらなんか変でいつも不安定、なんていう人が増えても、誰も得をしません。

さらには、システム側でどう対応していくかということもあるでしょうし、もう少し大きい視点で考えた場合、通信環境の変化はオンラインゲームの内容そのものにも影響を与えていく可能性があります。

スプラトゥーンに起きた現象は、より幅広い状況にいる人達が、オンラインゲームを遊び始めたという意味では、いい傾向です。でもそこには、知識や環境が違う様々な層の人たちが、できるだけ快適に遊ぶためには何が必要かという課題が、ついてきているようです。

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