ジャズ/ジャズ入門

ジャズ版ケヴィン・ベーコンゲームで楽しく学ぼう!(3ページ目)

ジャズにはちょっと興味があるけど、難しそうでという人は結構多いのでは。そこで、ゲーム感覚でジャズを楽しく学べる三つの方法(ジャズ版ケヴィン・ベーコンゲーム、ディベート、ブラインド・フォールドテスト)を三回に分けてご紹介します。その第一弾は「ジャズ版ケヴィン・ベーコンゲーム」です。楽しんで学んでくださいね!

大須賀 進

執筆者:大須賀 進

ジャズガイド

チャーリー・ヘイデン「アメリカン・ドリームズ」より「トラヴェルズ」

American Dreams

American Dreams

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有名なギター奏者パット・メセニーの名曲「トラヴェルズ」。ここでは雰囲気たっぷりのマイケル・ブレッカーのサックスが聴きものです。そしてリーダーのチャーリー・ヘイデン(ベーコン数2)のベースもふくよかな音で、雄大なアメリカの風景を思わせるかのよう。まるで、強い横風に黄色い砂が舞う乾いた荒野に、カウボーイでも出てきそうなイメージが浮かんできます。一音一音を思い入れたっぷりに吹くマイケルが素晴らしい出来。

このアルバムは全編、テーマが美しい曲が集められていますが、中に1曲だけ異色な曲が演奏されています。それが、「バード・フード」という曲で、作曲したのが、フリー・ジャズの大家「オーネット・コールマン」です。

オーネット・コールマン「世紀の転換」より「バード・フード」

世紀の転換

世紀の転換


オーネット・コールマン(ベーコン数3)は、惜しくも2015年6月11日に亡くなってしまいました。多くのモダン・ジャズの大家が鬼籍に入っている今、物議を醸しだした革命児のオーネットまでと思うと淋しいかぎりです。

そのオーネットが絶頂期にあって録音したのがこの「世紀の転換」の「バード・フード」です。ベース奏者はチャーリー・ヘイデンです。当時、根強い反対派も多く、まだまだ理解されない状況も多くあったオーネット一派にとって、一番理解し合い、芸術的な貢献を果たしたベース奏者がほかならぬチャーリー・ヘイデンでした。

ここでも、先鋭的でクリエイティブなチャーリーのベースプレイを聴くことができます。このフリーの闘士が、晩年には「アメリカン・ドリームズ」のようなムーディーな音楽を演奏することになりました。そのチャーリー・ヘイデンも昨年2014年に亡くなっています。ジャズは、その時代によって移り変わる、人の生き方が反映されるものだということを、改めて考えさせられます。

さあ、ゲームは首尾通り、ベーコン数3で上がりになりました。あなたも、好きなミュージシャンでぜひジャズ版ケヴィン・ベーコンゲームやってみてください。ではまた次回お会いしましょう。
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