ローボルトで安全とコスト削減を
日本の商用電源はおもに交流電源が電力会社から家庭などに供給されます。家庭には一般に単相100/200V(ボルト)の電源電圧が使用されていますが、交流は変圧器の導入で自由に電圧を昇降でき、必要な電圧の電力を確保することができます。
照明用光源は普通100Vで点灯させます。しかし、白熱電球やLEDのなかには12Vや24Vといった低電圧(以下、ローボルト)で点灯するものがあります。何故なのでしょうか。
電気はよく水に例えられます。電圧が水圧であれば、電流は水の流れに相当します。電圧が高いほど大きな抵抗が必要です。抵抗は白熱電球で言うとフィラメントになります。
こんな計算式を習いませんでしたか?
電力(W)=電圧(V)×電流(A)
電流(A)=電圧(V)÷抵抗(Ω)
この計算式によると100V100Wの場合は電流が1A、抵抗が100Ωです。それが12V100Wでは電流が8.33A、抵抗が1.44Ωになります。このことより12V用電球はフィラメントを小さくでき、そこに大量の電流を流すことから輝度の高い光源になります。
この光源は反射鏡によって光をより正確にコントロールできるため、例えば12V用ハロゲン電球スポットライト器具の場合は100V用ハロゲン電球スポットライト器具に比べ、ビーム角内に光束を有効に集めることができるため、少ない電力で高いスポットライト効果が得られやすくなります。
ローボルトのLED光源では電流が多く流れることによって明るさを増すことができます。しかしこのことは熱も上昇して、それがランプ寿命等に悪影響を与えます。
そのためLEDランプの多くは定格以上の電流が流れないように抵抗が組み込まれ、また器具の温度上昇を抑えるための努力が製造側で行われています。
12V用照明器具は高Wタイプだと多くの電流を必要とするため、今のところ1灯当たり10W以下の器種が多いです。
ローボルトにしたからと言って100V用LEDに比べ1Wあたりの光束(明るさ)は変わりませんが、最大のメリットは電気に触れても感電の心配がないため、特に雨風の影響を受けやすい屋外用器具に有効と言えます。
次のページではローボルト製品が特徴の「タカショーガーデン&エクステリアフェア2015」についてご紹介します。