将棋/将棋のすすめ

自由研究の題材に、日本の伝統文化「将棋」-2

楽しい夏休みを暗黒世界に導く「自由研究」。小学校の教員として自由研究審査員の経験もあるガイドが悩み苦しむ皆さんに、将棋をテーマにした研究を提案する第2弾。研究の先にあるものは、光り輝く世界かもしれませんよ。

有田 英樹

有田 英樹

将棋 ガイド

(一社)普久原未来のための事業団の代表として、子ども文化事業を担当。将棋動画を作製し、将棋文化の普及・啓蒙活動をしている。(元)大分県子ども将棋ネット、将棋教室「将星会」代表。

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よい子の皆さん、こんにちは。将棋ガイドのおじさんですよ。

さて、皆さん、この夏休みも、あいつに悩まされていませんか。あいつ……。そう、あいつですよ、あいつ。名前の頭に「自由」なんてすてきな言葉を織り込み、いかにも皆さんの味方であるかのようにふるまうあいつ。

しかしですよ、皆さん。今から100年くらい前、フランスにサルトルっていう有名な哲学者さんがいたんですがね。彼は、自由についてこう言ったんですよ。

「人間は自由の刑に処せられている」/サルトル

ひえ~、自由って刑罰だったのか!

そう言えば、自由席ってのがありますよね。これ、指定席に比べると安いけれど、早い者勝ちだったりして、最悪の場合、座れないってことだってありますよ。自由「席」なのに、立ちっぱなし。ひえ~、やっぱり刑罰かも。そうなのです。自由って油断していたら、まずいのです。

で、あいつの話に戻します。もう、おわかりですよね。あいつってのは、皆さんから夏休みの自由な時間を奪う「自由研究」です。

自由研究、誰が考えたんだか知らないけれど、これ、うまいネーミングですよね。

楽しい夏休みですが……/イメージ

楽しい夏休みですが……/イメージ

自由については、今までに述べた通り。研究だって勉強や学習より、なんか、響きがいいですよね。そうそう、ガイドのおじさんが子どもの頃、夏休みの問題集には「夏の友」って名前がついていたんですよ。いったい、どこが友なのか、まったく不明でした。

 

ところで、今から2千年以上も昔、中国に司馬遷(しばせん)っていう歴史家さんがいたんですがね。この人はこう言っているんです。

「甘言はやまいなり」/司馬遷

その通り。甘い言葉にだまされちゃあいけません。サルトルくんも司馬遷くんも、自由研究に悩まされたのかもしれませんね(そんなわけないか)。

てなわけで、今回の記事は、よい子の皆さんとサルトルと司馬遷に捧げます。

ガイドのおじさんは、以前にも自由研究について書きました。
自由研究の題材に、日本の伝統文化「将棋」
これが、けっこう、好評でしてね。いろんなお子さんや、保護者の方から反響がありました。まだの方は、ぜひ、ご覧くださいね。でも、さすがに、毎年、同じことを書いて提出するわけにもいかないでしょうから(いや、ホントなら、それも自由なんでしょうが)、今回はニューバージョンでガイドしていきます。では、次ページへレッツゴー。

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