ダンス界の第一線で長く活躍されているみなさん。ご自身の生活の中でダンスの閉める割合はどのくらいですか?
平山>意外と思われるかもしれませんが、できれば20%くらいにしておきたいですね。だって、残りの80%から得るものってすごく大きいと思うから。もちろん現実的にはダンスが80%くらいになっちゃっているけど。多くの経験が踊りを支えていて、広がりをもたせてくれている。社会との繋がりはやはりすごく大事だと思います。加賀谷>ダンスの世界って、やっぱり特殊ですよね。ダンスよりも強く興味があることや、ダンス以上に強く大事にしたいことがないのは確か。趣味の方に進むことはないだろうし、ダンス以外に趣味もない。でも生活全体がダンスです、100%注いでます、というほどストイックな生活をしている訳ではないつもりです。
原田>私もそうですね。ストイックではないかもしれない。でも結局仕事となると、教えや振付だったりダンスに関することだから、そういう意味でいったらパーセンテージは大きくなる。とはいえ単純に仕事って割り切っているかというとちょっと違う気もするし。割合でいったら多いと思います。でも向かい方は、若いときとは大きく変わっていますけど。
平山>おそらく、自分を成長させるものとして必要不可欠なものだけど、実は私は“いつ辞めてもいいな”って思うことがある。例えば家族に何かあったりしたら、パッと辞めそう。それすらも経験として、今一番やらなきゃいけないことをやるべきなのかなって最近感じ始めている。こんな状況ではあるけれど、創造に対しての貪欲さは持ち合わせているつもりなので、おふたりのような方々が寄り添って、一緒に走ってくれていたら心強いですよね。
同年代の女性三人が集まって、ダンス以外ではどんなガールズトークを?
平山>世間話はまずしないよね。“これ身体にいいよ”とは言うかもしれないけど、“このスイーツおいしいよね”というのはない。ふたりとも職人なんです(笑)。原田>興味がないのかな?
加賀谷>そんなこともないけど……。若くないからかな?
平山>年齢に関わらず、その世代で話す内容ってあると思うけど……。リハーサルの最中にお喋りすることはあっても、それも意外と雑談じゃなくて、私のなかでは相当繋がっている。全然関係ない話をしているようで、実はプロファイリングしているんです。“好きなものは何?”とか、“お付き合いしている人はいる?”とか、“昨日何時に寝た?”とか、そこで聞いたものを踊りに入れ込んでいけたらと。踊りで説明する訳じゃないけれど、ところどころで“このひと本当はこういうことがしたいんですよ”、ということを入れ込んでいけたらという企みがあります。