主要メンバーたちの横顔
太平洋路線・アジア路線ともに、日本発着便が豊富なデルタ航空。
さらに10年10月末、羽田空港に国際定期便が就航することを受け、羽田/デトロイトと羽田/ロサンゼルス線の開設が決まりました。成田の既存路線とあわせて、首都圏から北米行きの選択肢が一段と増えます。なお同社のマイレージの「スカイマイル」(ノースウエスト航空の「ワールドパークス」と統合)は、日本に就航する外資系航空会社のプログラムの中でも高い人気があります。
デルタ航空とともに「スカイチーム」の牽引役となっているのが、エールフランス―KLMです。エールフランス航空とKLMオランダ航空は、2004年に持ち株会社方式により経営を統合しましたが、ブランドはそれ以降もそれぞれ維持しています。
シャルル・ド・ゴール空港を拠点に世界へ翼を広げるエールフランス航空。
いっぽうのKLMオランダ航空は、1919年に設立された“老舗エアライン”。現存する航空会社の中でもっとも長い歴史を誇ります。日本路線は、成田と関西からそれぞれ毎日、アムステルダム直行便を運航しています。
エールフランスがパリのシャルル・ド・ゴール空港、KLMがアムステルダムのスキポール空港と、それぞれヨーロッパを代表する巨大ハブ空港を拠点にしていることも特徴です。両社が共同で展開するネットワークは、世界110ヵ国の250都市以上に及びます。
東アジアにも広範なネットワーク
総額2億ドルをかけたシートのアップグレード計画を進める大韓航空。
中国の航空会社として初めて世界的なアライアンスに加盟したのが中国南方航空です。同社は、機材数、国内ネットワーク、旅客数などにおいて中国ナンバーワンの航空会社。中国国内では80都市以上に就航しています。ベースは四川省の広州白雲国際空港です。同社は「スカイチーム」加盟を機に、「高いレベルでの世界標準のサービスを目指して努力を重ねた結果、スタッフの意識改革が進み、ヒューマンサービスの水準が大きく向上した」そうです。これも、アライアンスの加盟効果なのです。
南極を除くすべての大陸に就航
「スカイチーム」のネットワークは、世界169ヵ国の856都市をカバーします。1日の運航便数は1万3133便、年間の利用者数は3億8400万人に及びます(データは10年5月時点)。なかでもネットワークが充実しているのは、北米内と大西洋路線です。北米内ではデルタ航空が網の目のようにネットワークを張り巡らせていますし、欧米を結ぶ大動脈となる大西洋線では、デルタ航空とエールフランス―KLMが共同事業を展開し、高いシェアを占めています。またエールフランス―KLMをはじめ、アリタリア‐イタリア航空やアエロフロート・ロシア航空、CSA チェコ航空、エア・ヨーロッパ(アソシエート・メンバー)などが顔をそろえるヨーロッパも、ネットワークが密なエリア。10年6月にはタロム航空も加盟するので、さらに使い勝手がよくなります。
そして急速に利便性が高まりつつあるのはアジア方面。大韓航空と中国南方航空に加えて、10年6月にベトナム航空が新規加盟し、11年には中国東方航空が加盟を予定しているからです。反面、オセアニア方面はメンバーがいないため、現時点ではどうしても路線が手薄になります。