スカイチーム
世界を旅するときに欠かせないのが、航空会社の連合「アライアンス」についての基礎知識。複数の航空会社を乗り継ぐときや、空港のターミナルを利用するとき、あるいはマイレージをためるときや特典を使うときなどに、その航空会社がどのアライアンスに属しているかを知る必要があります。今回は「スカイチーム」をテーマに、メンバーの顔ぶれ、ネットワークの特徴、旬の情報などを紹介します。デルタ航空の新しい塗装機の前に集う加盟各社のトップたち(09年)。
10年6月で創立から10周年
「スカイチーム」が発足したのは2000年6月のことです。アエロメヒコ航空、エールフランス航空、デルタ航空、大韓航空の各 CEO(最高経営責任者) がニューヨークに集まり、「スカイチーム」の設立を発表しました。10年6月はそれからちょうど10周年にあたります。発足時の加盟会社は4社でしたが、翌01年にはCSA チェコ航空とアリタリア航空(現アリタリア‐イタリア航空)が新規加盟。さらに04年には、それまで「ウイングス」(通称)の名称で提携グループを形成していたノースウエスト航空(現デルタ航空)、コンチネンタル航空(09年に「スターアライアンス」へ移籍)、KLMオランダ航空の3社がメンバーとして参加。ネットワークが拡大し、乗客の利便性が大きく向上しました。
その後も06年にアエロフロート・ロシア航空、07年に中国南方航空が加盟するなど、メンバーは増加を続けます。今年5月時点で、正式メンバー9社、およびアソシエート・メンバー2社(マドリッドが拠点のエア・ヨーロッパとナイロビが拠点のケニア航空、議決権を持たない準メンバー)がいます。
新規メンバーが続々加盟へ
さらに10年以降は新規加盟が相次ぎます。まず10年6月10日にベトナム航空が加盟の式典を行い、式典後に正式メンバーとなります。ベトナム航空は母国とともに高い成長を続けており、日本路線の便数も増えていますから、アジア好きや「スカイチーム」をベースにマイルをためている旅行者には朗報です。またルーマニアのフラッグキャリア(国を代表する航空会社)で、ヨーロッパや中東などへ路線展開するタロム航空がまもなく加盟します。10年6月下旬に首都のブカレストで加盟の式典が行われ、同社は正式メンバーとなります。
さらに“中国ビッグ3”の1社で、上海に本拠地を置く中国東方航空が10年4月に参加の意思を表明しており、2011年の加盟を予定しています。今後も継続した成長が見込まれる中国において、“ビッグ3”のうち2社がメンバーになることは、「スカイチーム」の大きなアドバンテージです。
ところで「スターアライアンス」にはANAが、「ワンワールド」にはJALが加盟していますが、「スカイチーム」に日本の航空会社は参加していません。けれども、太平洋線をはじめ、アジア、ミクロネシアと豊富な日本路線を展開するデルタ航空や、“エアフラ”の略称で親しまれているエールフランス航空など、日本人旅行者になじみの深いエアラインも少なくありません。成田発の便数で見ると、デルタ航空は外資系航空会社の中で最大のネットワークを持っています。