天空の鉄板焼フレンチ「634(MUSASHI)」
すっかり観光名所として定着した東京スカイツリー。Soramachiなど商業施設はバラエティに富んだ飲食店が連なり、観光客や外国人客をはじめとしたゲストで変わらない賑わいを見せる。しかし、地上世界から天空の世界にたどりつくと、そこにはれっきとしたフレンチガストロノミーの世界が広がる。
地上345mにある日本「最高」の鉄板焼フレンチ
Sky Restaurant 634(MUSASHI)のフランス料理は
過去にも取り上げたが、このレストランの奥にはわずか8席の鉄板焼コーナーが用意されていることは、意外にもあまり知られていないのである。
非日常とはこのことだろうか。天空から見下ろす先には雲と小さく霞む都会のビル。夜には煌めくネオンが光り輝く。
まずは下界を見下ろしつつオリジナルシャンパーニュを
総料理長の牧本氏はアミューズ、前菜からデザートに至るまで、細部に東京風のテイストを感じさせつつ、あくまでフランス料理のエスプリにこだわる。
シャンパーニュは634オリジナルのボネール・トラディショナル。スッキリとした飲み口にシャンパーニュ特有の奥行きが感じられる秀逸なものだ。ここはビールではなくシャンパーニュで乾杯といきたいところ。
ヴィネグレットと出汁の効いたフレンチ風酢の物
凝縮感のあるフォアグラのテリーヌや新鮮なカルパッチョなどを摘まみながら、下界を見下ろす心地よさは特別感そのもの。
まずは魚のポワレからスタート!
鉄板焼きは鹿児島産クロダイのポワレからスタートだ。目の前でゆっくりと火が入り、野菜が並び、柑橘系のソースが作られていく。皿に盛られると料理としての香りがほのかに漂い、ルイラトゥールのシャルドネと共に完璧なマリアージュの世界に突入。当たり前ではあるが、手抜きのない完璧なフランス料理だ。
柑橘系のソースが旨みをさらに引き立てる
そしてほどなく和牛のミスジ肉が運ばれ、メインディッシュの準備が始まる。鉄板焼というものは、なぜかワクワクドキドキする。目の前で手さばきよく進められるプロによる一連の調理の流れは、素人には真似のできない熟練の技だろう。赤身肉の素材、野菜、そして焼き音、香り、すべてが五感を刺激し、皿に盛られるフィニッシュまでついつい待ちきれず、ワインがどんどん進んでしまう。
これぞ日本スタイルでいただく肉料理の真骨頂か
写真が美味しさを語ってくれるので味わいは言うまでもないだろう。赤身とほのかな脂身が調和し、ブルゴーニュワインと共に心地よさの世界にゆっくりと入っていく。塩と胡椒のオーソドックスな味わいが肉の旨みをさらに引き立てていく。
デザートは「雲」をイメージしたフロマージュ・ブラン。美しさというより万人受けするほっとする美味しさで〆る辺りもよく考えられている。
デザートは「雲」をイメージした優しい味わい
平日のランチタイムに空席がある可能性は高い。値段も程よく手頃なところに抑えられている。夏のこの時期は天気がいいことが多い。予約する価値は十分にあるだろう。
Sky Restaurant 634(MUSASHI)鉄板焼
東京都墨田区押上1-1-2 東京スカイツリー天望デッキ内
TEL:03-3623-0634 予約受付時間(10:00 ~ 18:00)
営業時間
ランチタイム 11:00~16:00(最終入店14:00)
ディナータイム 17:30~23:00
メニューは
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