いかにもベントレーらしい“踏まずとも心昂る”W12
V8か、W12か。それが問題だ。
コンチネンタルGTを選ぶ際に、まずは頭を悩ますポイントだろう。今回は、その命題に、自分なりの回答を出してみようと、張り切って乗り比べてみたのだが、どちらにも選ぶ大きな理由があって、やはり結論は出なかった。
けれども、一つだけ再確認したことがある。それは、素晴らしく高性能なクルマであるにも関わらず、さほどアクセルペダルを踏み込む誘惑に駆られないということだ。他のクルマの流れに決して逆らわず、むしろ控え気味にクルージングするようなシチュエーションが、最も心地いいのである。
そう考えたとき、踏んでいかねば気分の昂揚がないV8系グレードよりも、踏まずに自然と心昂るW12系グレードの方が、いかにもベントレーらしいと思えた。それは、英国車ならではの、高級グランドツーリングカーの表現、というべきだろう。