VW(フォルクスワーゲン)/パサート

VW新型パサートは超が付くバーゲンプライス!(2ページ目)

8代目にスイッチしたフォルクスワーゲンの新型パサート。セダンとワゴンのヴァリアントを設定し、デビュー時はディーゼルやPHVの用意こそないが、ガソリンモデルでも十分な魅力を備えている。とくに最新安全装備の充実と価格設定は驚異的だ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

自動運転に近づく!? 世界初の渋滞時追従支援システムとは?

新型パサート/パサート・ヴァリアント

写真は「Rライン」。シートサイズは同クラスにふさわしいゆったりしたサイズで、頭上空間も身長171cmの筆者なら低全高化の影響はほとんど感じさせなかった


新型パサートには、プリクラッシュセーフティやACC(全車速追従機能付き)、レーンキープアシストなどの先進安全装備が満載(標準装備)されているが、プリクラッシュセーフティの「Front Assist」はレーダーとフロントカメラを活用し、車両だけでなく歩行者も検知。

また、世界初の渋滞時追従支援システム「Traffic Assist」も注目だ。レーンキープアシストとアダプティブクルーズコントロールを組み合わせたもので、自動的に加減速するだけでなく、車線維持支援も行うというもの。

ただし作動条件があり、65km/h以上で自動追従している際に、60km/h以下の低速域になった場合でも先行車が完全停止するまで制御するというシステム。たとえば、高速道路などで追従走行と車線維持をしていた際に、渋滞などで速度が低くなっても同機能が維持されると考えればいいわけだ。

新型パサート/パサート・ヴァリアント

ヘッドクリアランスは余裕十分とはいえないが、身長171cmの筆者なら閉塞感もほとんど抱かずにすむ印象で、足元の広さはDセグメントの平均値は上回るはずだ


実際に、高速道路を中心にACCやレーンキープ、そして世界初の渋滞時追従支援システム「Traffic Assist」も少しだけ試す機会があった。まず、ACCの加速、減速の制御は、「急すぎず、遅すぎず」でかなり自然な印象で、さらに車線維持の制御も正確。

渋滞時追従支援もステアリングをしっかりと握っているのが条件だが、かなり自動運転に近い印象で、たとえば「前方に右折待ちをしているクルマがいて、その左側を通り抜ける」といったシーンでもしっかりと先行車に付いていくことも確認できた。

国産車もターゲットにした価格設定

新型パサート/パサート・ヴァリアント

セダンは先代でも広大といえる奥行きが広がる。やや荷室高は低めだが同クラスのセダンとしては不足はないだろう


ワイド&ローになった外観フォルムや、さらに質感の向上が図られたキャビン。そしてクラッストップレベルの荷室など、セダンを選んでもヴァリアントを選んでも積載性の高さはCクラスや3シリーズなどのライバルに対する大きなアドバンテージだ。

新型パサート、パサート・ヴァリアントは、これらの先進安全装備を標準装備しつつ、先述した20.4km/Lの燃費、パワフルになった走りなどがセダンは329万円から、ヴァリアントは348万9900円から手に入るというのは間違いなくバーゲンプライスといえる。

新型パサート/パサート・ヴァリアント

ヴァリアントは先代の603LでもCクラスの470L、3シリーズの495Lを上回っていたが、新型は650Lと先代よりもサイズに容量アップしている


こうなると、ターゲットはCクラスや3シリーズなどだけでなく、Aクラスや1シリーズなど、ライバル勢の下のクラスさえ飲み込む価格設定であり、マツダ・アテンザやトヨタ・マークXなどの国産車とも競合できるゾーンに入っている。

あとは、ゴルフ卒業組をどうやって逃がさないかだろうが、その魅力とコストパフォーマンスは十分に備えているといえるだろう。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます