メルセデス・ベンツとの輸入車ナンバーワン争いが激化
セダンは全長4785×全幅1830×全高1465mm。ワゴンは全長4775×全幅1830×全高1485mm。ワゴンの方が若干全長が短くなっている。また、セダン、ワゴンともに「ハイライン」と「Rライン」の方が全高が高くなっている
フォルクスワーゲンといえばゴルフ。初めての輸入車としてポロはもちろん、ゴルフを指名する人が多そうだが、ゴルフで輸入車の魅力に初めて触れると「次はBMW、メルセデスにいってみようかな」と、ステップアップを図るユーザーも少なくなさそうだ。
しかし、メルセデス・ベンツとの激烈な輸入車ナンバーワン争いを繰り広げているフォルクスワーゲンには、パサートという上級セダン&ワゴンのヴァリアント(以下、ヴァリアント)がある。
16年ぶりにメルセデス・ベンツが上半期ナンバーワンに輝いた今年。フォルクスワーゲンは「年間で最も売れた輸入車」という称号を守るべく、今回紹介する新型パサートをはじめ、派生モデルや新規グレードなどを矢継ぎ早に上陸させる見込みだ。
8代目の新型パサートも優等生か?
新型パサートは、ゴルフと同じく「MQB」と呼ぶ次世代プラットフォームを使っている。コストや開発時間の短縮が可能になるわけだが、品質向上はもちろん、軽量化により燃費や運動性能の向上にも寄与するという、クルマ作りの根幹から見直されている。
エンジンは1.4LのTSIで、7速DSGとの組み合わせのみ。注目のディーゼルとPHVは2016年になるそうだ。
それでも1.4TSIは、アルミクランクケースの採用や、エキゾーストマニホールドとシリンダーヘッドの一体化などにより軽量化されている上に、クルージング時などに4気筒のうち2気筒を休止するアクティブシリンダーマネージメント(ACT)の採用などもあり、同クラスの輸入車でトップレベルの20.4km/Lを誇る。
また、実際に乗ってみても非力な印象は高速道路を含めてほとんど感じさせず、先代よりも50Nm/28ps向上した恩恵は明らか。先代パサートはボディサイズと車両重量からすると、シーンによっては「いっぱいいっぱい」で、もう少しパンチ力が欲しくなることもあったが、新型パサートならほとんど抱くことはないはずだ。
年々改良されているデュアルクラッチトランスミッションのDSGもスムーズで、とくに苦手とする極低速域の1-2速のつながりもかなり洗練されてきている。
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