任天堂は自分のハードでなくても力を発揮できるのか

3DSとiPhoneの図

任天堂の開発者は、スマートフォンでもその力を発揮できるのでしょうか(橋本 モチチ)

勘違いされる方がいないように言っておきますが、ガイドはマリオを使うべきではない、ということを言っているわけではありません。任天堂には、マリオなどの任天堂IPをスマートフォンのゲームに登場させることで、そこから家庭用ゲーム機へと導いていくという狙いもあります。

ただし、ゲームがヒットするかどうか、特に任天堂が目指すようなヒットを考えた時にマリオを使うかどうかが重要かというと、おそらくそうではないでしょう。有名なIPを使えば、最初からそれなりに固い数字は見込めるでしょう、しかし億単位で遊んでもらえるようなヒット、という見方をした時、大切なのはやっぱり中身なのです。

そう考えた時、大事なポイントはもっと他にあることに気がつきます。作り込んだパッケージのゲームを作るのに慣れている任天堂がスマートフォンに最適化したゲームを提供できるのか。自社ハード以外でも実力をしっかりと発揮できるのか。ゲームはともかく継続的な運営でユーザーをひきつけられるか。

成功例としてお話したスプラトゥーンで、実は象徴的な問題が起きていました。2015年6月13~14日に開催された「フェス」というゲーム内イベントでのことです。フェスはあるお題に対してユーザーそれぞれがどちらのチームに所属するかを決め、2つの派閥でポイントを争うお祭りです。第1回のフェスは朝食は「ごはん」派か、「パン」派か、というチーム分けでした。

開催されると、大きな問題が発生しました。ごはん派よりもパン派の方が少なかったのです。そうすると、ごはんチームはなかなか相手のパンチームとマッチングされない、という状況が起きました、マッチングに時間がかかると「これだけ待って、負けられない」という気持ちも出てくるため、なんとなくギスギスします。ポイントを貯めるのがなんだかメンドウな気持ちになる人もいます。ごはん派からは不満が続出しました。

どうやって解決するかということはともかく、2チームの人数が崩れると快適に遊べないということ自体は、それ程難しい話ではありません。しかし、あれだけ品質の高いパッケージを作り上げる任天堂が、オンラインイベントではそういうミスをポロッとこぼすのです。

もちろん、これ1つだけでどうこう言える話ではありません。しかし、象徴的な出来事ではあります。任天堂はこの問題に即座に対応し、2015年7月1日に修正データを配信、そして7月3~4日に早速第2回目のフェスを開催するとしています。

スマートフォンでゲームを出すということは、新たな領域で勝負をするということです。パッケージのゲームにおける常識が通じない場面もたくさんあるでしょう。スプラトゥーンのフェスのようなことが、たくさんあるかもしれません。

それらをどうやってこえて、しかも新しいゲームを提案するのかということこそが、大きな課題であり、注目すべき点であるように思います。

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