絵本

星降る夜に空を見上げて読みたい絵本

作者の中川ひろたかさんは「どこかの星の子どもにこの絵本を届けたい」と願い、画家のはたこうしろうさんは「地球は命輝く星だ」と言います。そんなロマンティックな大人2人が子どもたちに贈る、面白科学絵本をご紹介します。

執筆者:大橋 悦子

とてもロマンティックな科学絵本『ぼくはうちゅうじん』

『ぼくはうちゅうじん』の作者・中川ひろたかさんは、小さな読者のみなさんが大人になる頃、この絵本をロケットに乗せて、どこかの星の子どもたちに届けたいと思っています。一方、絵を描いたはたこうしろうさんは、地球は命が輝く星だと言っています。この本は、そんなロマンティックな2人の大人が小さい読者に贈る、おもしろ真面目な科学絵本です。

読めば、君もきっと思うよ「ああ、ぼくは宇宙人なんだ」って!

絵本『ぼくはうちゅうじん』の表紙画像

この本を読む君が、宇宙で1番綺麗だと思うのはどの星ですか?

お父さん・お母さんと一緒にキャンプをしているぼく。なぜか夜明け前にお父さんに起こされました。これから日の出を見に行くというのです。でも、まだまだ周りは真っ暗で、木々の間からは群青色の美しい夜空が見えています。

その時ぼくは、空にオリオン座が輝いているのを見つけました。そのオリオン座をきっかけに家族3人の宇宙談義が始まります。ナビゲーターはお父さん。でも、お母さんやぼくだって負けてはいません。ギリシア神話や星占いなど星座にまつわる楽しい話に花が咲きます。

やがて3人の話は、地球のこと、太陽系のこと、そして宇宙の大きさや星の数についてなどにも及び、ぼくは宇宙について色々なことを学びます。宇宙について知るうちに、ぼくにはある考えが浮かびました。「宇宙人は絶対いる。 そして、その宇宙人から見たらぼくもまた宇宙人なんだ!」と。

「宇宙人との交流」のイメージ画像

宇宙人との交流が実現する日がくるのでしょうか?

この作品は、科学絵本として、大人の私たちも「へえ~、そうなんだ!」と思うような宇宙の話題がたっぷりと盛り込まれているだけでなく、身近な星空から大きな宇宙へと小さな読者の興味と夢がぐんぐん広がっていく構成がとても自然で、実に見事です。

けれど、この作品の魅力はそれだけではありません。自然科学の絵本でありながら、絵本の中には家族のぬくもりと愛情に包まれた主人公の姿があり、それはまるで私たちをやさしく包む宇宙の姿の相似形のようにも思えます。宇宙を題材にした絵本ながら、家族と共にある幸せを思い出させてくれる抒情的な一面も持ち合わせた作品なのです。

※ 本書は、2015年青少年読書感想文コンクール 小学校中学年向け課題図書に指定されています。


【書籍データ】
書籍名:ぼくはうちゅうじん
文:中川ひろたか 絵:はたこうしろう
価格:1512円
出版社:アリス館
推奨年齢:6歳くらいから
(2015年青少年読書感想文コンクール 小学校中学年向け課題図書)
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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